パチンコ小説-19 | パチプロ日報

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パチンコ小説第1話から読む


※まだ読んでいない方は必ずパチンコ小説第1話から読み進めて下さい。













エックスデーはいつにしますかと弁護士に聞かれたので、次にアドバイザーが来る日を希望して打合せを終えた。


店舗の鍵を引き継ぐためだ。


会社には120万円ほどしか資金が残っていなかった。


このままずるずると続けていてもいずれ社員2人には給料すら払えなくなると思い、本当に底をつく前に店をたたむ決意をした。


2人には申し訳なかったと20万円ずつ最後の給料を払うと同時に辞めてもらった。


エックスデーまであと1週間あるが、既に施術予約も徐々に調整していて、エックスデー以降の予約は受け付けなかった為店舗は1人でも十分やっていける。


社員2名分の給与を支払った後の残金は全て弁護士報酬とした。


弁護士報酬の相場がどんなものか知らなかったが、底をついて支払うものが無い状況よりはずっとよかったと思う。


アドバイザーが来るエックスデーは先月分のロイヤリティー支払い日の前日だった。


このロイヤリティーは支払うつもりが無いので、閉店する事はアドバイザーばかりでなく本部、直営店の人にはエックスデー当日まで話をしないようにと弁護士から言われた。









いよいよ明日のエックスデーを待つだけとなった。


パソコンやプリンタなどを売り払った為、事務所はすっかり簡素なものとなっていた。


契約書関係は一式弁護士に渡していて、エックスデー当日には社印も渡すようにしている。


簡素な事務所内でひとりフランチャイズ契約書をはじめとする各契約書の写しを読み返していた。


それぞれの契約書にはもちろん保証人や債務保証についての項目が列記されてある。


残っている債権を整理すると、銀行の借入金、公庫の借入金、社用車のリース、複合機のリース、電話機のリース、そしてフランチャイズ契約についてだ。


会社が倒産すればその会社には支払能力が無くなるので、各債権は保証人に移る。


つまり保証人がそれぞれの債権について会社の代わりに支払いを行わなければならない。


まず保証人が無い電話機のリースは会社が無くなると同時に債権も消滅するので何も心配はない。


そして保証人が社長の私だけの銀行の借入金、社用車のリース、複合機のリース、フランチャイズ契約についでだが、これらは保証人である私が自己破産することによって債権も消滅する。


自己破産によって保証人自体も支払不能に陥るからだ。


フランチャイズ契約については歴史がまだ浅いせいで契約後に追加変更契約が相次ぎ、本部への不信感を募らせたのだが、今となっては逆にその歴史が浅いおかげで保証関連の内容に甘さがあったといえる。


残るは私以外に親が保証人になっている公庫の借入金だ。


公庫は万一のためにと銀行よりも遅れて借入をしたので金額は銀行に比べればずいぶんと低いのだが、こればかりは支払わなければ債権は無くならない。


数日前に親には全ての事情を説明した。


親も自営業を長年やっているが、若いうちに何度か失敗して今の事業が4、5回目の事業だ。


私がまだ1回目で金額も低かったので予想通りと言わんばかりに快く了承してくれた。





自分の自己破産についても準備をしている。


会社を経営している間に決していずれ自己破産しようと準備を進めていたわけではないが、調べていくうちに自己破産しても何も問題がないことがわかったのだ。



自己破産しようと思っても返済に充てることができる家や預金などの資産を持っていれば自己破産の最大の特徴である免責がおりない。


免責がおりてはじめて債権が消滅する。


私の資産状況はというと、家はアパートの賃貸契約なので資産ではないし、貯金は結婚してから今まで全て妻名義の口座に入れていた為、私の資産とはいえない。


車はリース契約の社用車を利用しているので私の資産ではないし、特別高い買い物もしていない。


私名義の通帳を全て弁護士に提出したが、私には資産換えとも思われるような金の動きは一切ない。


資産と言えるのは自分の口座に入れていた小遣い用の20万円と生命保険の解約返戻金ぐらいだった。


解約返戻金はまだ契約年数が短いため調べると20万円程度だった。


したがって今の私の現有資産は40万円というものだった。


弁護士に調べてもらったところでは、今回のケースでは資産が100万円以内なら十分免責が下りるというものだった。


パチンコ店に数店舗に渡り膨大な貯玉をしていたが、資産の対象となるかどうか定かでなかったのでその事は特に話さなかった。


今回どの契約にも保証人として妻を立てなかったことが結果として良かった。


なぜなら、保証人ではない妻には何も請求されないからだ。


家の貯金は妻名義。



つまり、自己破産したところで私の生活は何も変わらないのだ。



変わることといえば無職になるので妻の扶養に入ることぐらいだろう。





そしていよいよエックスデーを迎えた。