昨年12月28日、昨年最後の植木仕事を終えた。
ホットして、年末年始と休んで、明日1月8日から始動です。
仕事始めは毎年同じで、二日間かけて植木班全員参加で、
市営の温泉施設、「ことぶき荘」「城山荘」の植木手入れです。
どちらも松が多い、そんなでありまして、
若手から、年配まで……といっても60代は少なく、
メインは70代ですが80代の先輩もポコポコと(笑)
まあ、日頃の手入れ自慢の日になるってのが、とても楽しい。
松は、それなりに奥も深いので、それなりに手入れも楽しいのです。
日本庭園で「松(まつ)」が“ほぼ必須”と言われるほど重視されている理由は、
実用性・美学・象徴性・世界観の4つがすべて揃っているからです。
ここでは、歴史的・美的・象徴的・精神文化的な視点から、深く丁寧に説明します。
1. 松は「常緑」で季節や年月を超えて庭の骨格を保つ
■ 1年中、緑が変わらない
多くの庭木は冬に葉を落とすが、松は常緑で冬でも景観を保つ。
そのため、日本庭園の「骨格」となる主幹樹として格別に重視された。
■ 四季の変化が激しい日本で「変わらない緑」は貴重
春は桜
夏は青葉
秋は紅葉
冬は雪景色
この四季の“移り変わり”の軸として、**「変わらない松の緑」**が庭の中心に置かれる。
それが、日本庭園のバランスの根幹。
2. 松は「樹形(シルエット)」が美学的に完成されている
■ 長寿で、成長とともに美しい姿になる
幹の曲がり
枝ぶり
樹皮の模様
これらが時間とともに味わい深くなる木は非常に珍しい。
■ “絵になる木”の代表
絵画(琳派、日本画)、庭園、盆栽で松が繰り返し描かれるのは、
松の樹形ほど「日本的な美」の象徴になるものが他にないため。
3. 風・潮・寒さに強く「どこでも育つ」万能さ
クロマツ → 海岸の暴風にも強い
アカマツ → 痩せた土地にも耐える
五葉松 → 寒冷地・高山でも育つ
つまり、日本庭園を作る土地がどこであっても、
松を中心樹に据えることができる。
→ 造園家にとって、計画が安定しやすい。
4. 松は「寿命が長く、世代を超える庭」を支える
多くの木は50〜100年ほどで老木化し、庭の改修が必要になるが、
松は数百年単位で生きる木。
京都の名園
大名庭園
神社仏閣の庭
の「庭の顔」が松である理由は、庭園の寿命=松の寿命と言えるほど長いから。
5. 松は「神の宿る木」とされ、庭の精神性を作る
■ 神道・民間信仰で松は「依代(よりしろ)」の木
古代から松には神霊が宿るとされ、
神社
宮中行事
迎春の門松
などに使われてきた。
庭に松を植えることは、
その空間を“清らかな場”にする行為とみなされた。
日本庭園には、自然をただ模倣するだけでなく
“精神の場”としての役割があるため、松は最適だった。
6. 「長寿・吉兆」の象徴で庭の縁起を司る
松は…
長寿
不変
生命力
祝福
厄除け
の象徴。
庭はその家の“気”を司る場所と考えられ、
松は最も縁起が良く、気を安定させる木として重宝された。
庭と家の繁栄・幸福を願う象徴として、松は最上級。
7. 日本庭園は「縮景」であり、松は小さな自然を表現する上で欠かせない
日本庭園は、山・海・岩・川・雲など“自然の縮図”を作り出すスタイル。
松は多くの象徴を担う:
大きな松 → 山の象徴
斜めに伸びる松 → 海岸の風景
曲がり松 → 老松、時の象徴
五葉松 → 高山の象徴
つまり、松1本で自然全体の雰囲気を表現できる。
これは他の樹木では代替できない。
8. 他の木より「手入れによって美しさが増す」珍しい木
多くの樹木は剪定しすぎると弱るが、松は…
芽摘み
枝透かし
針金掛け
枝の調整
などの手入れに耐え、
むしろ造園家が意図した形に近づく。
松は「手を入れるほど美しくなる」という特異な性質をもち、
日本庭園の“人と自然が共存する美学”を象徴している。
総まとめ:なぜ松は日本庭園で必須なのか?
① 常緑で景観の“軸”になる
② 樹形が美しく、日本の美学に合致する
③ 風土・土地条件をほぼ選ばない
④ 長寿で、庭を世代を超えて支える
⑤ 神聖性・吉兆の象徴で庭に“気”を与える
⑥ 自然の縮図(山・海・時間)を表現できる
⑦ 手入れにより美しさが増す、造園家の理想の木
↓ こちらのお宅は私担当でして、手入れ前と手入れ後
↓ 昨昨年末(2024年12月)仕事で伺ったお宅からもらった黒松、伊香保に植えました
ダイオウマツ(大王松)





















