2008.8トピックス3 | 『異業種ネット』『国際ジャーナル』『現代画報』『報道ニッポン』記者のブログ

2008.8トピックス3

TOPICSライフスタイル調査から見えてきた
結婚・子育てに希望を持てない30歳代“団塊の世代”“団塊ジュニア世代”などという表現があるが、同じように“受難の世代”と呼ばれるのは30歳代。これらの人々の入社時期は、前半と後半で就職氷河期とバブル期とに分かれており、そこから所得格差が広がっている。30歳代は、結婚し子どもを育てるには最も良い時期だと言えるが、労働環境の変化の影響を受けながら生きてきた彼らは、結婚や子育てに関してどのような考えを持つのか。* * *読売新聞社は、4月24日~25日の二日間にわたり、「30歳代のライフスタイル」についてインターネットアンケート調査を実施した。今回のアンケートに答えた人は30~39歳の男女それぞれ500人。うち既婚者は66%だった。



同調査によると、「一般的に言って、人は結婚した方がよいと思うか、必ずしも結婚する必要はないと思うか」という設問に対して、「した方がよい」と答えた人は43.2%、「必ずしも結婚する必要はない」と答えた人は51.5%いることが分かった。結婚していない人に対する「結婚していない理由」を問う設問(複数回答)では、「異性と知り合う機会がないから」や「理想の相手がいないから」という出会いに関する理由に次いで、「自由な時間が減るのがいやだから」や「独身の暮らしに満足しているから」などの答えも多く、自分自身の生活を貫きたいと考えている人が多いこともよく分かる。さらに、「結婚生活に必要な収入が得られないから」という生活面での不安を窺わせる回答も見られた。



30歳代の世代は、バブル経済の崩壊や、その後の“失われた10年”、さらに年功序列制度の崩壊、成果主義の導入などによる労働環境の変化が、就職活動や就職時期に顕著に表れ、大きく影響を受けた“受難の世代”だと言われている。しかし、男女平等参画意識が大きく浸透している世代であることから、仕事や会社に自分の生き方を合わせるのではなく、自分自身の価値観やライフスタイルを確立している人が多いと言える。つまり、人生における“自我”に目覚めた世代だ。したがって、「必ずしも結婚する必要がない」という人が多いのは、ライフスタイルの多様化という点では、ごく自然なことだろう。



しかし、「一般的に言って、夫婦は子どもを持った方がよいと思うか」という問いに対しては、「持った方がよい」「どちらかといえば持った方がよい」と答えた人が、合わせて85%に上った。結婚する必要がないと考える人が多い一方で、多くの人が結婚するのならば夫婦は子どもを持って家庭を築くべきだと考えていることも分かる。ただ、子どもを「持たない方がよい」「どちらかといえば持たない方がよい」と答えた人の理由は、「子どもの将来が明るくなりそうにないから」という回答が54.2%と最も多く、次いで「子育てにお金がかかり過ぎるから」が50%。子どもという存在ではなく、子育て環境や社会・経済情勢に対する不安感の方が大きいことが窺える。



同調査では、正社員と非正社員との所得格差に関する問いもあった。格差を「大いに感じている」「多少は感じている」と答えた人は合わせて75.7%、格差が今後もさらに広がると「思う」「どちらかといえばそう思う」人は全体の80.9%にも上る。しかし一方で、「非正社員」あるいは「無職」で「正社員になりたいと思わない」と答えた人の理由は、「家庭生活や趣味などとのバランスを取りたい」「自由な時間がほしい」などだった。格差は広がっているけれど、生活スタイルは変えたくない、収入はほしいけれど自分の時間を犠牲にしてまで正社員にならなくてもいい──非正社員たちのこんな声が聞こえてきそうだ。



インターネットアンケート調査である以上、すべてのデータが正しいとは限らないが、30歳代の人々が置かれた複雑な状況は如実に表れていると言えよう。自分自身を貫くのか、より豊かな生活を実現するのか──どちらを選んでも、“安定”は得られないだろう。それがはっきりと結婚観や子育て観に現れている世代、それが30歳代である。