2008.8トピックス2 | 『異業種ネット』『国際ジャーナル』『現代画報』『報道ニッポン』記者のブログ

2008.8トピックス2

TOPICSニッポン人の基礎知識──気になる旬のトピックを解説グリーン ベースボール プロジェクト
【Green Baseball Project】日本野球機構が2008年3月のシーズン開幕以来実行している「試合時間マイナス6%」のプロジェクトの総称。京都議定書にて定められた地球温暖化対策の具体的な活動が始まるのに合わせて、「NPB2008 Green Baseball Project」と称した地球温暖化防止活動を、年間を通して行うこととしている。プロ野球界の大きな変革の一つ。* * *京都議定書によって、2012年度までに温室効果ガスの平均排出量を基準年(1990年度)から6%減らすことを義務づけられた日本。だが、その活動は進むどころか、ますます深刻になっているのが現状だ。



そんな中、日本野球機構が地球温暖化対策に乗り出した。その一環として今シーズンから取り組んでいるのが「グリーン ベースボール プロジェクト」と呼ばれる活動である。



具体的には、過去10年間の平均試合時間である3時間18分から、公式戦864試合を通じて平均12分(マイナス6%)の短縮を目指す。これによって使用電力量を1試合あたり435キロワット、シーズン全試合で37万6千キロワット分の電力を抑え、電力使用による二酸化炭素の排出を減らすことが狙いである。



ちなみに、この数値を二酸化炭素量に換算すると209トンの削減になり、栗の苗木550万本、またはバットの原料などになるアオダモ7万本の植樹をしたときと同じ効果に相当するという。



この目標を実現するために、「攻守交代は、全力疾走」「むやみにタイムは、要求しない」といった11か条のスローガンが選手の控え室などに貼られただけでなく、試合内における具体的な目標時間も設定された。たとえば攻守の交代は2分15秒、イニング間の投手交代は3分15秒以内といった具合だ。そして各球場のスコアボードにはそのための時計が表示され、各選手の迅速な行動意識を高められるようにしている。



選手の意識は変わりつつあるようで、先述の攻守交代の際のスピードアップはもちろん、試合の中盤から終盤にかけて登場する機会の多い中継ぎ・抑えの投手は、登板時間を逆算して早めにブルペンに入るようになったそうだ。



また、各球団ごとにも様々な取り組みが行われており、横浜スタジアムでは昨年まで投手交代のアナウンスが始まってからリリーフカーを出動させていたところを、今年からはアナウンス前から発車させるようにした。また、千葉マリンスタジアムでは、リリーフカーの速度を時速20キロから25~30キロに上げたほか、ナゴヤドームと阪神甲子園球場では、打者がバッターボックスに向かう際に流すテーマソングを10秒から20秒に短縮したという。



では、実際のところ試合時間はどれぐらい縮まっているのだろうか。開幕から1カ月半経過時に、セ・リーグとパ・リーグの両リーグの平均試合時間を計測したところ、3時間7分という結果が出た。目標とする数値には僅かに及ばなかったとはいえ、着実に成果は現れてきていると言えるだろう。



しかし、投手に疲労が蓄積して選手交代が多くなる夏場や、優勝争いを繰り広げているシーズン終盤でも、試合時間を短縮する動きがこれまで通りできるのかなどまだまだ未知数の点も多く、さらなる体制の強化とシステムの浸透が求められることになる。



一方では、試合時間が短縮されたことによりテレビの中継も変わってきた。攻守交代の時間が短くなったことでイニング間ごとのコマーシャルを放映時間を短縮したほか、番組枠として確保してある時間内に終わった場合の対応なども必要になる機会が増えてきたのだ。テレビ局としても手探り状態の段階であるため、「時間が余った場合に何を放送すれば視聴者に喜んでもらえるのか…」と、頭を悩ませる関係者も多いのだとか。球場で楽しむファンだけでなく、テレビで観戦するファンのためにも、そうした整備をこれから行っていかなければならないことだろう。



地球温暖化の改善は次世代の子どもたちのために絶対に必要なこと。プロ野球界もその取り組みに参加することで、人気が低迷していると言われる球界を変え、明日のスーパースターたちに夢のある球界、そして自然豊かな日本を残してもらいたいものである。