<NHK>「番組内容偏向」の指摘でHPに回答文書 ③ | ひょっこりひょう「たいわん」島/(台湾ブログ)

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NHK「番組内容偏向」の指摘でHPに回答文書 ③


3、台湾の方々へのインタビューについて

 台湾の方々へのインタビューについて、不適切な編集はありません。また取材や制作過程においても
問題ありません。
 番組では、日本統治時代を知る多数の証言者にインタビューしました。なかでも、台北第一中学校
卒業生の柯徳三さん(87才)と、蒋松輝さん(96才)は当時の事情をよく知る人物です。
 柯徳三さんについては、一族の方々の人生が日本の台湾統治を象徴しています。柯徳三さんの祖父は、日本統治に協力した一人で、台湾人児童が通う公学校の日本語教師をつとめます。また、地区のまとめ役である「保正」として住民を監視し、台湾総督府に報告する役割を担います。柯徳三さんの父は、日本人の通う小学校に入学したものの、途中で退学させられます。この父の処分に関して後藤新平が命じた通達が「台湾総督府文章」の中に残されていました。柯徳三さん自身は、「同化政策」によって日本人と同じ小学校、中学校に通うことが可能になり、台北帝国大学医学部に進学、その後日本海軍に入隊しました。
 蒋松輝さんについては、父の蒋渭水が、台湾の民族運動を率いた一人でした。日本統治下で行われた。
「台湾議会設置請願運動」は重要な運動で、蒋松輝さんはその貴重な証言者でした。蒋松輝さんは
また「台北第一中学校」卒業生の長老的存在です。

こうした台湾の方々へのインタビューについては、「日本統治時代の良い部分も語ったのに取り上げられなかった」という批判、また、柯徳三さんが、放送後、NHKの担当ディレクターに「あんた中共(中国共産党)の手先だろう」と伝え、NHKに抗議をしているということが、一部で伝えられました。
 今回の番組で、台湾の方々のインタビューを恣意的に編集したことはなく、またNHKが柯徳三さんや蒋松輝さんから抗議を受けているということはありません。

 取材後、柯徳三さんにはあわせて5時間程度インタビューしています。番組で使用した部分は、柯さん
の発言の趣旨を充分に反映していると考えています。恣意的な編集はありません。
 柯さんは、5時間のインタビューの中で、当時の日本の統治に対する素直な思いを語っていらしゃいます。柯さんは「インフラ」について、日本がこなかったらこんな発展はない、と評価される一方で、砂糖や米、樟脳など日本は、投下した資本以上に台湾から富をもってかえっているととらえ、それを「一種の搾取」と表現されています、後藤新平の駅や病院の建設、また農業の発展に寄与したといわれる八田興一の嘉南大?祁についても、すごいけれども日本という国はこんなにすごいということを台湾人に示すために
やったのではないかという疑問も提示されています。
「教育」については、24歳まで育ててもらった恩というものがある、こういう表現で感謝の念を表明されています、柯さんが「恩というものがある」とおっしゃっている教育については、番組の中で次のようなコメントで伝えています。
 
「台湾の同化政策で、まず重視されたのが、教育でした。それまで台湾人は、日本人と別々の学校に
通っていました、同化政策によって、同じ小学校に通えるようになります。」さらに日本人しか通うことのできなかった中学校への進学も許可されました。かつて、父親が日本人小学校を退学させられた、柯徳三さんです、柯さんは、同化政策によって、日本人と同じ小学校を卒業し、中学校に進学しました。」

 さらに、台北第一中学校の同窓会でのインタビューも、それぞれの方の発言の趣旨を十分反映していると考えています。
 台北第一中学校の同窓会の長老的存在である蒋松輝さんからは放送の翌日4月6日、メールをいただいています。「4月5日夜のスペシャル番組を拝見しました。なかなかの出来ばえで、感謝感激に堪えません。厚くお礼を申し上げます。ついでながら、ますますご元気で活躍されますよう祈っております。台北一中、台北三中、基隆中学台湾人同窓有志一同」。(なお、上記に柯徳三さんのインタビューで放送未使用の部分、また蒋松輝さんからいただいたメールを紹介しています。このことについては、お二人のご了解を得ています。)

 以上、今回の番組について、内容の偏向はないこと、事実関係や用語の間違いはないこと、またインタビューは適切に編集していることを説明いたしました。今回の番組に寄せられたご意見の中に、「こうした歴史を知ってこそ、台湾の人々とより良い関係を築いていける」、、また「証言を聞いて、台湾の人たちが、より深い意味で親日家であることがよく分かった」というものがありました。私たちも、この番組によって、日本と台湾の間の絆がさらに深まってほしいと願っています。「こういう番組こそ若い人に見てほしい。NHKには、今時代に必要なメッセージを発信してほしい」というご意見もありました。歴史の検証は容易な作業ではありませんが、「未来へのプレーバック」というプロジェクトのコンセプトを大切にしながら、今後も「プロジェクトJAPAN」の番組を制作していきたいと考えています。



以上
2009/6/19(金) 投稿

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