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台湾正名運動②「基本認識」
ちょうど台湾正名について書いていたら 愛読しているメルマガ「台湾の声」にそれと関連した記事が流れて来たので ちょっとひとこと
【ニュース】馬英九総統が「台湾書院」の設置を提唱
11.30
「台湾の声」
馬英九総統(大統領)は、11月27日に開かれた「国家文化総会」の会議の中で
、台湾郷土文化の発揚の重要性を訴え、台湾の伝統芸能である歌仔戯(コアヒー
)などの台湾独自の文化を今後強化した上で、台中両岸交流や、国際交流に力を
入れる考えを表明した。
また、馬総統は、海外に「台湾書院」を設置して、台湾の「正体漢字」の美を
広めたいとの意欲を示した。「台湾書院」の具体的内容は明らかではないが、中
華人民共和国(中国)の「簡体漢字」(略字体)とは違う台湾の「正体漢字」(
旧字体)の魅力を通して、世界に台湾文化の独自性をアピールする狙いがあり、
中国が世界各国に「孔子学院」を設置して中国語学習ブームを作り出そうとする
動きに対抗する意味合いもあるとみられる。
「台湾書院」のカリキュラムに「正体漢字の中国語」(中華民国語)だけでな
く、台湾人の母語である台湾語(ホーロー語)や客家語等のコースが開設される
かどうかは今後の課題として、海外における台湾の言語・文化の学習拠点として
「台湾書院」を設立するというアイデアは評価できるものといえる。特に「台湾
」の名を忌避しがちだった馬政権が「中華書院」ではなく「台湾書院」と命名し
たことは高く評価できる。
11.30
「台湾の声」
馬英九総統(大統領)は、11月27日に開かれた「国家文化総会」の会議の中で
、台湾郷土文化の発揚の重要性を訴え、台湾の伝統芸能である歌仔戯(コアヒー
)などの台湾独自の文化を今後強化した上で、台中両岸交流や、国際交流に力を
入れる考えを表明した。
また、馬総統は、海外に「台湾書院」を設置して、台湾の「正体漢字」の美を
広めたいとの意欲を示した。「台湾書院」の具体的内容は明らかではないが、中
華人民共和国(中国)の「簡体漢字」(略字体)とは違う台湾の「正体漢字」(
旧字体)の魅力を通して、世界に台湾文化の独自性をアピールする狙いがあり、
中国が世界各国に「孔子学院」を設置して中国語学習ブームを作り出そうとする
動きに対抗する意味合いもあるとみられる。
「台湾書院」のカリキュラムに「正体漢字の中国語」(中華民国語)だけでな
く、台湾人の母語である台湾語(ホーロー語)や客家語等のコースが開設される
かどうかは今後の課題として、海外における台湾の言語・文化の学習拠点として
「台湾書院」を設立するというアイデアは評価できるものといえる。特に「台湾
」の名を忌避しがちだった馬政権が「中華書院」ではなく「台湾書院」と命名し
たことは高く評価できる。
正名とは「物の名称をその実態に合わせて正していく」ことであり 「台湾は台湾」「中国は中国」「台湾は中国ではない」ということである。
ここで取り上げられている「台湾の伝統芸能である歌仔戯(コアヒー)などの台湾独自の文化を今後強化」ということはよいことだ。それは中国の京劇と台湾の歌仔戯は日本の国立劇場でやるような歌舞伎と地方の田舎歌舞伎の関係でなく 台湾独自の芸能として認知されているからである。
台湾の他の芸能や文化の多くを見てみると たとえば有名な布袋劇などは源流が中国大陸にあって 中国と無縁ではないものの やはり「台湾」と「中国」の違いはあるものがある。こんなふうに台湾のオリジナル性が高いものは「台湾○○」という地域名という意味合いだけでなく 台湾という冠を付けることができるだろう。また台湾には 中国の芸能文化をほぼそのままに受け継いだものもある。それら全て今風の言葉を使えは「中華圏」であるのも台湾ではある。
しかしこのメルマガに取り上げられている記事は 『台湾人の母語である台湾語(ホーロー語)や客家語等のコースが開設されるかどうかは今後の課題として、海外における台湾の言語・文化の学習拠点として』とある。このことは期待はあっても二の次で 今のところ台湾語の普及とは無関係で設置され その目的は中国の「孔子学院」に対抗して 「正体漢字」(旧字体)の美を通した中国語の普及にあるようである。
そしてこのメルマガは 馬総統の意向で「書院」の名を「台湾書院」として設置されると紹介されこのことを 『特に「台湾」の名を忌避しがちだった馬政権が「中華書院」ではなく「台湾書院」と命名したことは高く評価できる。』と結んでいる。
名は体を現さずとも「台湾」と付けば評価できるとは 選挙期間中に「台湾」を連呼した馬英九と同じ発想で 正名からはほど遠い 誤った評価である。
「簡体漢字」(略字体)に中国が今公的に切り替わって 「正体漢字」または「繁体字」は生まれも育ちも中国であり中国のオリジナルのものであることには変わりなく それを主題にした文化の拠点の名とするなら「中華書院」が望ましい。
日本が日本の漢字簡略化や日本で作られた国字を元に漢字を世界に普及させたいとか 日本独自の書体の展示で漢字の美しさを世界に広めたいなら「日本書院」でも間違いはないが 中華民国の政策で用いられている100%中国オリジナルの正体漢字の中国語を主体にしたこの書院に 「台湾書院」と台湾の二文字が入ることをただ喜ぶのは 「台湾は中国の一部であるという認識」を持ちながら 今は台湾のみの選挙だから「台湾」を連呼し票をかき集めた馬英九の行為を「高く評価」するのと同じである。
何でも台湾が付けばよいというのでは 何が台湾なのか知らないでよいということになる。馬英九の発想である「人気取りには何が台湾であってもどうでもよい」というのと同じだ。
台湾正名運動に必要なのは「台湾のものは台湾」「中国のものは中国のもの」と峻別認識することでもあるのではないか。
以上
2008/12/2(火) 投稿
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