「大同思想とオリンピック」に続いて 中国人の思考方法をまず一般的な中産階級の家計に絡めて 聖火リレーに対する中国人留学生の反応をみてみたい。
上海や広東の街並みをみると実に不思議である。ワーカーの給与が高くて2000人民元 日系企業の課長さんの給与でも3000~5000人民元 上手く立ち回っても10000人民元を手に出来る人は少ない。立ち並ぶ高層マンション一体誰が住めるのかあまりにも数が多い。人いわく「皆投資目的の外国人さ」と簡単に片付けて話す人がいる。実際香港人や台湾人は投資目的で物件を購入する人が多いのは事実である。しかし 台湾時代上海の高層ビルを寮に借りて出張していたわけだが そこには老人も多く中国人が大部分だった。この度 深センの某所に連絡所的な事務所を設けるため幾つか物件を当たる。事務所と言ってもマンションを借りるわけで 中国人の生活空間に入り込むわけだが 高級そうなマンションでもそこで普通に暮らしている中国人がいる。日本との比較において駐車場には世帯数との比率的には劣るが 乗用車の所有もそこそこ カローラが日本円であれやこれやで200万以上するこの国の車の価格の高さを考えると どこからお金が沸いてきているのだろうか不思議である。
確かにこの国の高度成長で 起業家で成功した人は多いが これらのマンションを埋めるほどの数ではない。
私 「A君 中国の公務員 課長級の給料って幾らもらってるの?」
中国人A君「高くないですよそんなに 3000人民元ぐらいでしょうか?」
私 「いつも疑問なんだけど このマンション群に普通に住む中国人 ワーカーは無理だとしても 普通の公務員レベルが住んでいるはずだけど 6~7年前で50万元 今なら100万じゃむりだろ?皆投資目的で借金してというわけじゃないと思うけど?」
※ 50万人民元=750万円、100万人民元=1500万円
中国人A君「公務員は給与以外の収入がありますから」
私 「からくりを教えてくれ」
中国人A君「僕と同じ同級生ですけど 衛生局の職員がいまして 彼は係長クラスなんですけど 給料は3000元にいかないのですけど 多い年で月に2万元副収入があります。衛生局って認可部門でしょ 認可と引き換えに企業からお金を集めるわけです。それを部門でストックして 部長は幾ら課長は幾らって階級によってきちんと分配するシステムになっているのです。放送局の友達はそれほど利権はなくて半分ぐらいと言ってました。」
私「教師は?」
中国人A君「先生はそれほどでもないですよ 教材とか給食とかのマージンからぐらいですかね まあ利権の多い部門の公務員は 車は1年目から持てますかね 公務員になるにはそうとう勉強を含めて努力しなければならないのは事実ですけど」
ここで台湾の戦後事情 教師をはじめ日本の高等教育を受けた台湾人を北京語が出来ない文盲と公職から排除して外省人がほぼ独占した話は有名であるが 食べるだけでも精一杯の時代 中国人的公務員のあり方は当時もそうであったと容易に想像出来る。228事件は起こるべくして起きたのだろうとA君にぼやく
中国人A君「今のチベットと同じですね」
私 「鋭いね」
私「ところで 聖火リレーで世界各地でたくさんの中国人留学生が動員され 中国政府の言いなりじゃないか 自由な西側諸国に住み 政府批判の気概もないのかね全く・・」
中国人A君「彼らはエリートですから それに政府批判したってお金にならないでしょう?」
私「天◎門事件の時のような学生はいないのかよ!」
中国人A君「留学生は100%政府側ですよ だってチベットと自分の生活 どっちが大事かわかるでしょう」
私「そういや 天◎門事件の時 中国の経済それほど立ちあがっていなかったもんな 今なら 国に帰って公務員でもなろうものなら 超安泰ってことか」
中国人A君「あの時の学生は政府に不満があったでしょうけど 今は0じゃないですかね 中国人は日本人みたいに お金にならない人権で騒ぎはしませんよ 共産党は偉いですよ。」
よく 中国の格差問題にいつか火が付くと語られているが果たしてそうだろうか?学生レベルでは格差に怒る理由はない 狡猾な手段で生活を上げている人を非難するよりは 自分がその人のように生きたいと思うのである。格差の上位につく事は この国に住む人の「夢」、共産党批判は怖くてしないのではなく この国の大多数の人間は共産党を支持していることは間違いない。この国の分裂など現状からはありえないということだ。
国民党統治に対しての台湾人のリアクションは 共産党に対する中国人ほど賛意はないが ある程度類似した部分もあるのも台湾人かな?
以上
2008/4/26(土) 投稿
この10年前の記事の給与レベル 今では考えられないだろうな
台湾はたいしてかわってないけど

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