M&Aが急増している。特に中小企業によるM&Aが顕著だ。中小企業庁の資料(図1)によると2016年においては昨年対比で120%近くも増えているという。
これには3つの理由がある。
1つは、経営者が高齢になったことだ。帝国データバンクの調査(図2)によると経営者の平均年齢は59.3歳で過去最高を更新したという。
2つ目の理由は、後継者がいないことだ。経営者が高齢になり、代替わりを願っても後を継ぐ者がいないのである。実際、全国で3社に2社(66.1%)は後継者がいないという(図3)。京都は平均を上回る70.5%が後継者不在企業となっており、全都道府県中11位の後継者不在県となっている。
また、人口減少も大きな理由の1つだ。2005年に1憶2729万人だった人口は減少を続けており、2060年には8647万人まで減るという(図4)。人口減少による事業環境の悪化は言うまでもないが、直近でも「人が採れない」といった影響が出てきている。
こうした状況下で、経営者が引退後も会社を存続させるためにM&Aを実行しているのである。
では、どのような会社が譲渡するのだろうか。
実は、譲渡企業は黒字の優良企業が多い。優良企業である方が株価などの問題で承継が難しいのである。これまで、M&Aで会社を譲渡することは「身売り」と言われ敬遠されてきた。
ところが、M&Aが増加し一般化したことで、譲渡企業経営者の精神的な拒絶感が薄らいだのだろう。当然、いい会社を譲り受ければ買収側にもメリットが大きい。これが中小企業M&A急増の背景なのである。この機会に経営戦略の1つとしてM&Aを検討してみてはいかがだろうか。
著:株式会社ALIVAL 代表取締役 西村将明
