先日、産経新聞中国総局記者の福島香織さんのブログから転載させて頂いきました(http://ameblo.jp/nippon-number-one/entry-10080136912.html
)が、それの続編です。
-----------------
■16日夕、14日夜にチャットした友人と再びつながった。検閲ワードをさけながら、書いては速攻で削除しながらの、あわただしいチャットで、情報量は多くない。チベット自治区にネット・ユーザーは32万人しかいない。中国全土では2億1000万人もいるのに。しかもその32万人の多くは漢族だろう。チベット族でネットを自由に扱える人間は、限定されていて、監視を受けやすい。そういう危険を承知の上で、グレート・ファイヤー・ウォールをかいくぐって私に何かを伝えようとしてくる彼女。もちろん、彼女のもたらす情報がどれほど正確か、検証するすべはない。だが彼女とのチャット文面からにじむ焦りと民族の悲哀に、私は当局発表より、真摯なものを感じるのだが、みなさんはどうだろうか。
■彼女、ラインオン。
彼女「ハロー、ここは悪くなっている」
福島「ハロー?元気?」
彼女「今、入ったばかりの情報だけど、シガツェで抗議行動(衝突?)が起きている。」「ナクチェ県でも」
福島「どのくらい大きい?」
彼女「大きいわ、人数は調べているところ。僧侶はまだ含まれていない。」
福島「ラサはOK?」
彼女「外出禁止令が出ている。外に出ると撃たれるわ。街は軍だらけよ」「ラサは静か。でも郊外で抗議行動(衝突)は起きている。(ずらずらと地名がでてくる、五カ所くらい。あっという間に削除でメモれなかった!)」
福島「電気、水道、電話、食料、みな大丈夫?」
彼女「大丈夫よ、私の家にはツァンパ(干菓子みたいなチベットの保存食)がたっぷりあるから!」
「でもバルコルエリアの方は食料が大変みたい。長引くと飢える家がでてくる」
福島「家族は大丈夫?」
彼女「もちろんよ!」
福島「(暴動は)どんな風にはじまったの?」
彼女「14日、午前11時30分ごろ、ジョカン寺の近くにあるラムチェ寺で僧侶がハンガーストライキをはじめた。これを軍(武装警察だろう)が阻止しようと、殴るけるなどの暴行のあげく発砲した。7、8人が死んだ。逮捕者もでた。これをきっかけに市民に怒りが広がり、暴力的な大規模デモが起きた。他の僧院も抗議のハンストに入った」
福島「ラムチェ寺の僧侶は何人?」
彼女「70~80人」(寺院の1割の僧侶が虐殺されたわけだ)
彼女「市民デモは北京中路あたりで軍と衝突。軍は発砲を繰り返し、銃創や圧死(おそらく軍用車両で)で、このエリアだけで死者は70~80人は出ている。」
福島「市全体では何人くらい(の死者)?」
彼女「正確には分からないけれど100人以上。110から120人の間だと思う。(亡命政府の発表は80人の遺体が確認された、少女も含む。これから増える可能性も)」
福島「市民が多いの、僧侶が多いの?」
彼女「僧侶より市民が多い、若いチベット族が犠牲になった」
福島「政府は漢族の商人が犠牲になったようなことをいっていたけれど」
彼女「漢族の死者はない。回族が5人死んだ。」「チベット族は怒りにかられて回族のショップを襲った。それで回族が怒りチベット族を5人殺した。それでチベット族が怒り回族を5人殺した」「漢族が犠牲になったというのは、政府のウソよ」
福島「僧侶が破壊行動に参加したというのは本当?」
彼女「それは本当。回族の店に火をつけた」
福島「僧侶は何を望んでいるの?独立?」
彼女「それだけではないわ。僧侶たちは政府に、漢族・回族移民政策をストップするように要求していた」「政府は300万人の漢族・回族をラサに移民させようとしている。僧侶たちは自分たちの子供たちをまもろうと、この政策に反対を申し立てていた。今でもチベットの大学新卒者は就職難で、チベット族の失業者は多い。そんなに大量の漢族、回族がくれば、チベットの子供たちは生きていけない」
福島「最初のデモは10日?」
彼女「10日、デプン寺で起きたデモ行進は軍(武装警察)に制圧された。このとき発砲もあったし、死者や車でひかれた者もでた。人数は分からないけれど。逮捕者も相当でた」。
ここで、ラインオフ。
■ここに書いた以外にも、いろいろ書き込まれたのだが、地名や寺の名前は、速攻で削除されるので、あやふやなもの、読み取れないものもあった。今回の暴動の最初のきっかけは、軍による僧侶への発砲、暴力であった、というのが彼女の主張。しかも、僧侶らの要求は、独立という大層なものではなく、地域の移民政策への反対だった、という。当局のいうところの「ダライ・ラマ14世策動による独立分裂活動」のようなものではなかったとの見解だ。
■この300万移民政策なるものが、本当にあるのかどうかは、確認できていない。しかし新疆ウイグル自治区ウルムチは、まさに大量の漢族移民によって、人口200万人あまりのうち75%が漢族という漢族支配の都市になった。もはやウルムチには、ウイグル族文化のかおりはほとんどのこっていない。中国では、少数民族地域への漢族移民、同化政策というのは、これまでもやってきた手段だ。全自治区人口280万人、ラサ人口44万人のところへ300万人、というのは多すぎる気もするが、最高の観光資源と地下資源、インド・ネパールに隣接する軍事的要衝でもあり、そのぐらいのことやらかしたとして不思議はない。
■ましてや、今は青藏鉄道が敷設され、大量の人、物資の輸送が可能になった。チベット族たちは、すでにラサに氾濫する漢族文化、漢族経済に不安を覚えている。それは昨年夏、中国外交部主催のプレスツアーにいったとき、ひしひしと感じた。
■ちなみに、ムスリムである回族は、少数民族ながら、普通語に堪能な人が多く、漢族とビジネスができる人は多い。しかもチベット族と仲がわるい。一方、チベット族は、普通語の会話・読み書きが苦手、というより過去の迫害の記憶から漢語を蛇蝎のごとく嫌っている人が多い。
■そこで、漢族が青藏鉄道とともにもたらした漢族市場経済(特色ある社会主義市場コネ経済)にすでに、チベット族はあぶれている状況がある。チベット族は貧しい人が多く、このままラサやチベットに漢族が増えたら、我々の文化、伝統、くらしは完全に破壊される、そういう危機感は強い。
■当局側が撮影したと思われる暴動映像をみれば、暴行を働いているのは、若いチベット族だ。みなりはボロをまとい、ひょっとして失業中かもしれない。たとえ仕事をしていても、賃金は数倍の差がある。昨年7月のプレスツアーで、ラサの経済開発地域の取材をしたさい、建設現場で同じ仕事をしている漢族の出稼ぎ農民と、チベット族地元民の賃金は、かたや1日40元、かたや1日8元だった。
■もちろん、自由アジア放送が伝えたように、投獄中の僧侶の釈放要求とか、いろいろな不満がつもりつもっていたのだろう。昨年末で、政治犯として投獄されたチベット族は僧侶を中心に119人。活仏の当局による管理・許可制導入など、チベットの伝統・宗教文化を完全になめくさった政策を強引に導入するなど、外国人にはどうしてそこまで締め付けねばならないのか、踏みにじらねばならないのか、理解に苦しむほど、チベット族への圧政がある。たとえ、ダライ・ラマ14世の存在感、影響力が共産党中国の想像を絶するほど大きく、中国指導者が過剰におびえているとしても、あまりにひどすぎる。
■こういう状況でおきた僧侶のデモだが、300人レベルの坊さんのデモを武装警察を突入させて制圧する必要がほんとうにあったのだろうか。300人レベルの抗議活動なら、香港では毎日起きている、とはいわないが、比較的頻繁に起きている。ダライ・ラマ14世が求める高度の自治とは、この香港レベルのなんちゃって自治・一国二制度にすぎないのである。一国二制度くらいいいじゃないか、と私などは思うが。
■暴動の原因が何なのか、どういう経緯でかくも悲惨な大暴動に広がったのか、今は断片的な情報の寄せ集めで見えない部分が多い。中国側公式発表をうのみにして、それを既成事実としてしまうのは、毒ギョーザ事件の真相を中国公式発表どおりの見解で処理するのと同じだろう。
■ダライ・ラマ14世は、この暴動について、国際的な独立した調査団派遣を望んでいる。ぜひ、日本もこの意見を支持してほしい。暴動は今や飛び火、拡大している。今、ここで国際社会に見捨てられると、沸点の低いチベット族は、それこそ玉砕覚悟で蜂起するかもしれない。
■毛沢東が行った対チベット政策がいかに苛烈にして陰惨であったかは、わざわざ私が言うまでもないが、その記憶を受け継いでいる若いチベット族は今でも大勢いる。一見、漢族にとけ込んで暮らしている普通のチベット族の若者も、ふと酔った瞬間、もし状況がこのままならば、殺された祖先の数だけ漢族を叩き切って自分も死ぬのだ、といまだにうわごとを言う人もいるのだよ。その深い恨みと悲しみを本当に癒すのは、金でもなく、女でもなく、ダライ・ラマ14世の帰還と宗教の自由というあたり、チベット族のメンタリティは、中国人にも日本人にもなかなか理解できないのだが、それは尊重せねば多民族国家は成立しえない。
■あす(というか今日)17日は、ダライ・ラマ14世インドへの脱出の記念日。多くのチベット族・僧侶の心がざわざわする日だ。どうか、恐ろしいことがおきませんように。血がながれませんように。私まで心がざわざわする。ひとつ間違えば、本当に北京五輪どころではなくなるかもしれない。
以上、http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/
より転載させて頂きました。
-----------------
中共の国家強奪、侵犯の原点 チベット侵略に抗議緊急デモ行進のご案内
中国は、隣国を侵犯するな!
・チベットから中共軍は即刻出て行け ・北京オリンピック反対
・新疆ウイグル自治区を解放せよ ・中国商品一切の輸入停止
14日、中共軍は、チベット僧の平和デモを暴動弾圧と言う言いがかりで催涙弾等
を打ち込み鎮圧した。そして(実質)戒厳令を引き弾圧しています。さらにデモの首
謀者たちを住民の密告も奨励し逮捕しています。平和的なデモが、中共お得意の無差
別殺人で抑圧されているのです。
中共軍は1951年にチベットに武力進駐しました。彼らは温厚な人柄、もともと争
いを好まない人たち。その彼らが今回自主独立を訴えデモをしました。
私たちはチベットの皆さんを支援し、彼らの自主独立と中共軍の即時撤退を訴えます。
今日」のチベットは「明日」の台湾 「明日」の台湾は「明後日」の日本
日 時 平成19年3月23日(日)
抗議集会 14:00~(受付開始 13:30)
デモ出発 14:40
※ お時間のある方は13時に御集合下さい。集会前に別途計画がございます。
集合場所 【抗議集会会場】
大阪市西区靱公園西側噴水前 四ツ橋線/本町駅下車北東へ200m
デモ行程 靱公園→中国領事館→本町→御堂筋南下→難波【約3㌔】
(千日前筋で流れ解散16:15頃)
お 願 い
① 平服でご協力下さい。
② プラカードは主催者で準備いたします。拡声器がございましたらご持参下さい。
平成20年3月15日
「抗議!中国」大阪デモ実行委員会
【共催】 中国民族問題研究会 主権回復を目指す会・関西 実戦委員会 北京オリンピックに反対する地方議員と市民の会
【事務局】 殿岡事務所 03-5269-9461
MASUKI情報デスク(増木) 090-37104815
・主権回復を目指す会
■「河野談話」の白紙撤回を求める市民の会

