友達が通っている、虫も草も敵にしないという自然農法で野菜やお米を育てているところに、今年から時々見学で手伝いに参加している。
去年、そこで育てられた白いお米、黒米、赤米などの雑穀米を友達がくれ食べた時にとても香りがよく、私も作ってみたいと興味をもったのがきっかけ。
今年はそこの田んぼで、自然農法を学んでいる会員さんを中心とする内輪で、初めて蛍を見る会が開催された。
蛍を見る会のきっかけ
この会の主催者は、20年程前からずっと無農薬、化学肥料なしでお米や野菜づくりに取り組んでいる方。
育てる環境の事を日々意識されていて、蛍が生息できる水質の田んぼにすることで、一人でも多くの人が蛍の住める環境について考えるきっかけになってほしいとの願いを込め、去年、同じく蛍が見られる環境作りを広げようとしている人の協力をもらい、土壌づくりに取り組み始めたそう。
蛍を見る会
そして初めて蛍を飛ばす日が訪れた。
説明では、蛍の種類は平家蛍。日本では平家蛍と源氏蛍が主流で、源氏蛍の方が光が強いとの事。
100匹いても日によって4分の1ほどの蛍しか光らず、蛍の寿命は2週間ほどで、人に育てられた蛍は2日ほどしか生きられないという。
短い命。
そんななかでこの場所にどれくらいの子孫を残し、来年につながっていけるのか。
そんな事を考えながら、じっと見ていると草に留まった蛍がそっとあちこちで光を放っている姿を目にした。
弱々しくもやさしく光る光に、穏やかな気持ちになった
蛍を見たのは小学校の頃、花火大会か何かで実家近くの土手に夜に行った時に、ふっと光る蛍を見た記憶がある。それ時以来。
30分ほど畦にしゃがんで見ていた。
自分がイメージしていた、フワッと夜空を飛び交う蛍は見られなかった。
箱に入れられここに移動し、新しい環境で外に出された蛍は、まずは落ち着きたいという心境なのかもしれない。
見学での立場ながら、主催者の思いを実現した日に立ち会い、蛍の光を見られたのはとても貴重だった。
小さな力でも、こうして自然を大事にしたいという思いを形にしている事自体が素晴らしいと思う。
この小さな一歩から、来年この田んぼに蛍が自然と生息しているのを見られる事を私も願いたい