畏くも 皇太弟殿下(秋篠宮皇嗣殿下)には本日、58歳のお誕生日をお迎えになられました。

日本国民一同、ここに謹んで奉祝申し上げます。

立皇嗣の礼により、太上天皇ご譲位と今上陛下ご即位に伴う一連の儀式が終えられて以来、わが日本はいよいよ令和の聖代を本格的にお迎えすることとなりました。

畏くも 太上天皇のご譲位によりお迎えした令和の御代ですが、その際に「改元」について、こちらでも何度かお話をしています。

畏くも 天皇陛下には古来より暦を勅裁なさり、時間と空間を「しろしめす」大権をお持ちでいらっしゃいます。

過去には崩御やご譲位の他にも、天災や戦乱など不幸なことが続いた際には「改元」のご聖断が下され、元号が改められることもありました。

これは改元によって時間と空間を更新することで、悪しきことや悲しきこと、汚らわしきことなどをすべて断ち切り、清く正しく新しい時間と空間へと切り替えることを意味しています。

それは同時に国の生まれ変わりをも意味しており、改元によって迎えられた「時空の更新」によって新たなる希望の今と未来へ向かって歩みを進めていくことも意味しているのです。

つまり、改元=グレートリセットというわけです。

「平成から令和へ」という御代替わりは、平成までの過去のすべての悪しきこと、悲しきこと、汚らわしきことなどをすべて「無かったことにする」時空の更新です。

畏くも 明治天皇には、「一世一元」を定められ、「良くも悪くもいかなることがあろうともその森羅万象すべてを 天皇が崩御のその瞬間まで一身に背負う」というお覚悟とご自覚をお示しになられてより、聖代は大正、昭和、そして平成、令和へと至っています。

皇太弟殿下には、立皇嗣の礼により正式に高御座を承け継ぎ給う 皇嗣殿下となられました。

これで平成から令和への御代替わり、「時空の更新」に伴う「グレートリセット」は完結しました。

そこからは全くあらためての、新たなる始まり=グレートスタートとなります。

このことをあらためて皆さまとともに再確認し、想いを寄せ合いながら、素敵な明日を育み続けようと思います。


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畏くも 皇太弟殿下には例年通りの記者会見に先日臨まれ、記者からのお伺いへ慎重にお言葉を選ばれながら大変ご丁寧なお答えを賜いました。

昨年に続き、今年も昨今の「とある世情のざわめき」も含め、報道や時代に即応した情報発信の在り方等、大変なご苦悩をお抱えになっておられるご様子のほどを拝します。

しかし、いついかなることがあろうとも、先祖代々子々孫々にわたって私ども日本人は 皇室に真心を尽くしてお仕え申し上げ、天皇陛下にご奉公申し上げることが、歴史という時間に支えられて育まれた日本の根本精神です。

だからこそ先祖代々そうしてきたように、限りなき 皇恩のありがたさに浴する身である私ども日本人は、ただただ宸襟を安んじ奉らんとの念願をともに、みんなで真心を合わせて想いをつなぎ、皇室の弥栄に未来の希望を明るくしていく努力を世紀とともに積み重ねていきましょう。


     ◇

私たち日本人の真の慈しみや愛、誠実さが、今こそ問われています。

この令和の御代に生きる私ども国民一同ただただ宸襟を安んじ奉らんとの念願をともに、御稜威のもと、真心と想いを合わせて広大無辺なる 皇恩に応え奉ってまいります。

皇太弟殿下のお誕生日をお迎えし、心からの奉祝の誠を捧げ、同時に「新たなる始まり」への夢と希望の想いを寄せて、今を愛しみ大切に育みながら、明るく、朗らかで素敵な未来を、みんなで手をつなぎ紡いでいきましょう。


最後に、畏くも 昭憲皇太后の「寄国祝」というお題の御歌(明治44年)を謹んで奉戴致します。


天つ日の てらすがごとく くまなきは すめらみ国の 光なりけり
口語訳:天の日が隈なく大地を照らすように、あまねく国中を照らすのは、御国を護る 皇祖の恩恵に他なりません。
『明治神宮編・発行『新版 明治の聖代』(平成27年11月25日第五刷・明治神宮)』



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上御一人に対し奉り日夜それぞれの立場に於て奉公の誠をいたす。
我等は畏みて大御心を奉体し、和衷協力以て悠久の臣道を全うせんことを誓いまつる。

天皇陛下のお治めになる御代は、千年も万年も続いてお栄えになりますように。

国体を明徴にし、国民精神を涵養振作するという一点で手をつなぎ、肇国の由来を詳らかにし、その大精神を闡明すると共に、国体の国史に顕現する姿を明示し、進んでこれを今の世に説き及ぼし、もって国民の自覚と努力とを促すため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めましょう。

「国体の本義、いまこそ旬」
「国体の本義、臣民の道、明日をつむぎ未来をひらく」
「失った日本を数えるな、残された日本を最大限生かせ」
「新しい日本の世紀、紀元2700年へ!」
想いを共に

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