天皇陛下の万歳を祝し奉ります。
皇后陛下の万歳を祝し奉ります。

本日、畏くも 皇太后陛下には御89歳のお誕生日をお迎えあそばされました。

私ども日本国民一同、心より奉祝の誠を捧げます。


昨年、畏くも 皇太后陛下には米寿となられる御88歳のお誕生日をお迎えあそばされ、仙洞御所で平成30年(皇紀2678・西暦2018)以来4年ぶりとなる祝賀行事が簡素な形で挙行せられ、畏くも 天皇皇后両陛下、皇太弟同妃両殿下、元皇族の方々や宮内庁職員らからお祝いを受けられました。

畏くも 太上天皇 皇太后陛下には朝夕のご散策をはじめ、御規則正しきご日常をお過ごしとなられ、今年は武漢風邪(新型コロナウイルス)の感染拡大以降、お控えになられてきた出御の機会を少しずつ増やされておられました

両陛下には今年5月、4年ぶりに京都や奈良を行幸啓、夏には4年ぶりに那須御用邸や軽井沢にてご静養など、長く大御心をお寄せ給う場所や人々との「あたたかい再会の年」となりました。

本日、畏くも 天皇皇后両陛下には奉賀の御為に仙洞御所へ朝覲行幸啓あそばされ、同時に畏くも 敬宮愛子内親王殿下、皇族方にはご挨拶の御為に仙洞御所へ行啓、去年よりやや規模を広げて麗しき祝賀を受けられました。


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以前からこちらでも「母の日」について時折お話しをしてきました。

一般に「母に感謝する日」とされるこの日は、戦後にアメリカの「母の日」がそのまま当てられて現在では5月の第2日曜となっているのですが、本来、日本では地久節(皇后陛下の御誕生日)が母の日でした。

この「母の日」ですが、そもそもイギリスやギリシアで四旬節の4度目の日曜日に教会を訪れて両親の霊に感謝を捧げる風習があり、明治43年(皇紀2570・西暦1910)頃、アメリカの一女性が母の追憶のため教会で白いカーネーションを配ったことが結び合い、大正3年(皇紀2574・西暦1914)トーマス・ウッドロウ・ウィルソン米大統領によって「母の日」として制定されたのが起源とされています。

祝祭日に関するトピックスでも常々お話ししていますが、ナショナルデーとされる祝典・祭典の行われる定例の日には各国それぞれが歴史的伝統に基づく国家の祝日(建国・独立・革命・戦勝等各記念日など)と祭日(キリスト教の四旬節・復活祭・クリスマス、仏教の灌仏会など)を設けています。

その際に、日本で現行の「国民の祝日」とされるナショナルデーが「歴史的伝統や趣旨が忘却された単なる休日と化していること」にも触れましたが、日本の歴史的伝統に則った祝祭日の意義についてあらためて皆さまと理解を深め合いたいと思っています。

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令和の御代における日本の母の日は、地久節の12月9日です。

平成の御代における日本の母の日は、今日10月20日でした。

ご譲位による御代替わりをお迎えし、畏くも 太上天皇、皇太后陛下のまします令和の御代に生きる私どもが、平成の天長節、地久節をどういう奉祝の誠を捧げる日とするべきでしょうか?

国民の祝日に関する法律で定められている「国民の祝日」の中に、「敬老の日」があります。

同法第2条では、この「敬老の日」について「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」としています。

昭和41年(皇紀2626・西暦1966)に、建国記念の日、体育の日とともに追加制定された「国民の祝日」です。

平成の天長節であった畏くも 太上天皇のお誕生日である12月23日、そして平成の地久節であった畏くも 皇太后陛下のお誕生日である10月20日を、それぞれ「太上天皇のお誕生日、皇太后陛下のお誕生日をお祝いするとともに、多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」とすることを皆さまに呼びかけます。

ちなみに国民の祝日に関する法律では、これまで平成14年(皇紀2662・西暦2002)までは毎年9月15日を「敬老の日」としていました。

これは、聖徳太子さまが四天王寺に悲田院(貧窮者・病者・孤児などを救うための施設)を設立なさった日にちなんだものです。

国家の祝日たるナショナルデーの由縁としては歴史的伝統や文化に則ったようにも思えます。

ところが平成15年(皇紀2663・西暦2003)から現行の「9月の第3月曜日」となっています。

国民の祝日に関する法律第1条で「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」(条文ママ)として定め、これを「国民の祝日」と名づける日が、いまや「歴史的伝統や趣旨が忘却された単なる休日と化していること」となっている、あるいはしている現状は、まさに文化への冒涜とも思えてなりません。

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地久節は母の日であるのと同時に、女子・女性の祝日でもあります。

皇太后陛下のお誕生日をお迎えした今日。

特に女の子や女性の皆さまには、女性同士が 皇太后陛下のお誕生日をお祝いし、祖母への想いをともに、お年寄りを敬愛し、長寿を祝うあたたかいひとときを過ごしていただきたいものです。


最後に、畏くも 昭憲皇太后の「菊のさかりなる頃青山のみ苑にわたらせたまひてとく参るべう宣はせければ」との御歌(明治12年以前)を謹んで奉戴致します。


さきみてる み園の菊の 花よりも おほみことばの 露ぞうれしき
口語訳:御苑に咲き満ちている菊花の美しさよりも、早く来て見なさいとお召しくださった陛下のお言葉が、一層うれしく身にしみます。
『明治神宮編・発行『新版 明治の聖代』(平成27年11月25日第五刷・明治神宮)』



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上御一人に対し奉り日夜それぞれの立場に於て奉公の誠をいたす。
我等は畏みて大御心を奉体し、和衷協力以て悠久の臣道を全うせんことを誓いまつる。

天皇陛下のお治めになる御代は、千年も万年も続いてお栄えになりますように。

国体を明徴にし、国民精神を涵養振作するという一点で手をつなぎ、肇国の由来を詳らかにし、その大精神を闡明すると共に、国体の国史に顕現する姿を明示し、進んでこれを今の世に説き及ぼし、もって国民の自覚と努力とを促すため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めましょう。

「国体の本義、いまこそ旬」
「国体の本義、臣民の道、明日をつむぎ未来をひらく」
「失った日本を数えるな、残された日本を最大限生かせ」
「新しい日本の世紀、紀元2700年へ!」
想いを共に

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