今日、皆さまへお届けしたいトピックスはやはり同じお話になります。

日本の歴史=国史を通じて、この7月も日本人にとってはエッセンシャルに重要な出来事が続いた月となりますので、毎年同じトピックスを取り上げ、それへの想いをともにしたいと願っています。

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元治元年(皇紀2524・西暦1864)の「7月19日」に、禁門の変が起こります。

「蛤御門の変」「元治甲子の変」ともいわれるこの事件は、文久3年(皇紀2523・西暦1863)の「8月18日の政変」で、京都における地位を失墜した長州藩が勢力回復を狙って京都に乗り込み、会津・薩摩両藩と武力衝突し、敗北したものです。

この一件は長州征伐の大義名分となって、その先の時代は紆余曲折を経て大きく動き始めるのです。

時代はまさに「世界の中の日本」という大きな国際情勢にのみ込まれる激動期にあたり、「近代への胎動」は「西洋=近代との接近遭遇」の衝撃と合わさり、日本人同士の過酷な葛藤と対立とが複雑に絡み合って、歴史的地殻変動を生み出していくことになっていきます。


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明治5年(皇紀2532・西暦1872)の「7月19日」には、参議西郷隆盛が陸軍元帥・近衛都督を兼任します。

明治31年(皇紀2558・西暦1898)に元帥府条例が制定され、陸海軍大将で卓越した功労者に元帥の称号が授与されるようになって以降、元帥というのは階級ではなく名誉称号となりましたが、明治初期の元帥は階級で大将の上でした。

ですのでこの時、西郷隆盛は「階級としての陸軍元帥」となったわけです。

近衛都督というのは宮城警備を担当する近衛兵の最高指揮官で初代は陸軍中将山縣有朋です。

その先の西郷隆盛の運命を考えると、本当に複雑な想いがします。

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明治16年(皇紀2543・西暦1883)の今日。

畏くも 明治天皇には、お見舞いの御為、岩倉邸を臨幸あそばされました。

病床に付していた岩倉具視はこの行幸の有難き大御心にただただ涙を流していたといいます。


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幕末もまさに「歴史の巨大な空隙」ともいえる時代でした。

しかし、その時代はやはりあらゆる生り出ずるものの素と生成へのエネルギーを内に秘めた生成の場としての空隙といえるもので、その先には「大日本帝国という世界的な大帝国への道」という「普遍的テーマ」が生まれて歴史的に実現していくことになります。

こうした「歴史の巨大な空隙」は、昭和20年(皇紀2605・西暦1945)の大東亜戦争敗戦という出来事でも迎えます。

しかし戦前・戦中・戦後と 畏くも 昭和天皇には全くお変わりなく続けてご君臨くださったおかげで幕末と同様に無秩序という意味での「混沌とした時代」としてではなく、その先に奇跡的な「戦後復興から高度成長へ、世界第2位の経済大国と一億総中流社会への道」と結実していくのです。

今、私たちも「現代の巨大な空隙」ともいうべき時代に生きています。

これまでのそれと異なるのは、それがぽっかりと大きく口を開けた虚の空間であるかもしれず、その中にはすでに万物の胚種が混り合っていた過去の国史とは全く異なる「別の時間軸」にあるかもしれないという点です。

これは私たち日本人にとって歴史上全く未知なる未体験の出来事といえます。

「過去と現在の裂け目」とも思えるこの「口を開けた空間」に生きる私たちは、まさに「ただぼんやりとした混沌」の中で社会秩序と個人の自我を支えている基本的価値が根本的に崩壊する未来を受動的に迎えることになるかもしれません。

これまで皆さまにお話ししてきた通り、私たち日本人には「歴史という悠久の時間に支えられた体験」があります。

過去の成功体験も失敗体験も、現在のかけがえのない大切な財産です。

この財産をいかし、これをさらに豊富化させる努力の先に、明るい現在と豊かな未来が待っています。

「過去と現在の時間的交わり」を通じて、その先に「日本という時間と空間の交わり」を営み未来を生むという想いをともにしながら一人ひとりが手をつないで努力し合う世の中を今から育み続けていきましょう。


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上御一人に対し奉り日夜それぞれの立場に於て奉公の誠をいたす。
我等は畏みて大御心を奉体し、和衷協力以て悠久の臣道を全うせんことを誓いまつる。

天皇陛下のお治めになる御代は、千年も万年も続いてお栄えになりますように。

国体を明徴にし、国民精神を涵養振作するという一点で手をつなぎ、肇国の由来を詳らかにし、その大精神を闡明すると共に、国体の国史に顕現する姿を明示し、進んでこれを今の世に説き及ぼし、もって国民の自覚と努力とを促すため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めましょう。

「国体の本義、いまこそ旬」
「国体の本義、臣民の道、明日をつむぎ未来をひらく」
「失った日本を数えるな、残された日本を最大限生かせ」
「新しい日本の世紀、紀元2700年へ!」
想いを共に

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