参議院議員通常選挙は、今週が勝負どころといったところで、迎える日曜日に投開票が行われます。

私たち「日本学会」は、特定の政党や候補者を公式に全体として支持することはありません。
何度も申し上げている通り、「日本学会」のポリシーは「咲く花は違っても根っこは同じ」という合言葉で表すように、個人的な思想・信条・思考・意識・行動・立場などの違いは一切問わないからです。
そのため仲間の日本学会員は保守、中道、革新はもちろんのこと、「どれでもない」、「わからない」、といった方まで様々です。

普段の学活(学会活動)や特活(特別活動)も、各地・各分野の「日本学会」や学会員それぞれが思い思いに、好きなように取り組んでいただければいいわけで、そうした表現のネットワークが「日本学会」であるというだけです。

ですのでこうした選挙といった場合も、自分の支持する政党なり候補者なりに投票すればいいというのが私たちのスタンスです。

その上で申し上げたいことがあります。
※ここからはあくまで私個人の意見であり、「日本学会」の公式見解でもなければ、日本学会員の意見を代表するものでもありません。



日本は20年以上、慢性的な不況によって、経済、文化、科学技術など社会全体が虚弱化の一途をたどってきました。
きっかけはバブル経済の崩壊ですが、その後、新自由主義体制への転換を求める一連の「改革」なるものが革新側から推進され、小泉純一郎内閣以降、本格的な革新政権の時代が続き、「小さな政府」を志向する緊縮財政・規制緩和・グローバル化が急進的に遂行されてきました。

「失われた20年」と称されますが、日本の虚弱化の起点をバブル崩壊に定めると実に30年以上に及びます。
その間、日本は主に革新系(自由放任主義・新自由主義・リバタリアニズム・グローバリズムの流れをくむ勢力の系統)が社会政治的主流を占めてきました。

つまり「革新政治の20年あるいは30年」=「失われた日本」であったということです。

その間、ただただ日本は虚弱化し続けてきました。

経済は成長せず、給与は上がらず、国民の所得は下がり続け、生産と消費の循環が利かず、デフレーションはスタグフレーションへと増悪し、いよいよ日本は本格的な亡国への道を歩み始めています。

この間、主に与党を担ってきた自由民主党・公明党の責任は極めて重いものがあり、本来であればとっくに政権交代が起こっていておかしくありません(民主党政権という時期もありましたが、本質的な意味における政権交代を述べるという意味で、ここでは除外します)。

しかし、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、山本らの集団といった野党陣営はマルクス・レーニン主義諸派(ML諸派)であるため、本質的かつ現実的な政権交代を担ってもらうことは絶対にできません。

また、日本維新の会「第二自民党」「自民党の補完政党」というだけの革新政党であり、また所属議員・関係者らの不祥事・事件の数が尋常ではありませんので、選択肢からは外すほかありません。

国民民主党という中道標榜野党がありますが、自民党や維新の会との関係が深まれば、中道から革新へとなし崩しになる可能性が極めて高いため、心許ないものがあります。

そうすると選択肢が無いように思えますが、今回は違います。

新党くにもり参政党という政治団体が立候補しています。

いずれも珍しい保守路線を掲げた政治団体で、積極財政への転換と消費税廃止・減税を掲げ、昭和の国民所得倍増計画と高度成長政策を令和の現実に創造的に適用した政策集を公約としている注目すべき候補です。

私個人は保守である「大きな政府」の立場であるため、新党くにもり、参政党の主張には賛同する点ばかりです。

特に「消費税廃止あるいは減税」というのは大賛成です。
(ちなみに「消費税=社会保障予算」というのは大きな嘘です)。

以前にも申し上げましたが、「失われた30年」をこのまま続けるのか、それとも、この30年の不幸を断ち切る意思を示し、その選択を下すのかの二者択一が、今回の参議院選挙です。

国民の貧困化という中で、エネルギー不足+値上げという深刻な悪循環が社会全体に侵襲を深めつつある今、「消費税廃止あるいは減税」というのは極めて有意義な選択肢ですが、自民党・公明党には全くその気がありません。
そればかりか、旧態依然とした革新政治を続けるつもりです。

もし、今回の参議院選挙で、自公両党で過半数議席を占める結果となれば、それは『「失われた30年」をこのまま続ける』ということになります。
日本の虚弱化という不幸と悲劇がそのまま続くことになるのです。
絶対にそんなわけにはいきません。


では、「失われた30年」をこのまま続けないためにできることは何かといえば、与党の自民党・公明党両党を非改選議員を含めて過半数割れに追い込み、衆議院と参議院で多数派が異なる「ねじれ国会」の状態を生み出すことです。

参議院で野党が過半数を獲得した状態になると、参議院の主導権は野党に握られることとなります。
「消費税廃止あるいは減税」という主張はML系野党も一致していることから、参議院での主流派は「消費税廃止あるいは減税」ということになります。

そうすれば、政権与党の法案・予算案を通して成立させる交換条件として「消費税廃止あるいは減税」を内閣に突き付けることができます。
そもそも「ねじれ国会」というのは、現政権・与党に対する国民からの「失格通告」あるいは「重大な警告」です。

岸田内閣は「ねじれ国会」という事態が訪れないと、危機感を持つこともなく、全く動かないでしょう。
すっかり死語あるいは絵に描いた餅と化した「新しい資本主義」や「令和の国民所得倍増計画」なるものに、懸命に取り組ませるためにも「ねじれ国会」にしなければ、岸田内閣も本気にはなりません。


また、特に今回の参議院議員選挙で、新党くにもり参政党の占める位置は、本当に重要になります。
新党くにもり・参政党が少なくとも20議席を獲得したら、確実に日本は変わります。

ある意味でいえばキャスティングボートを握る立場になり、自民・公明両党合わせて250議席以上あろうと、最後に参議院の20議席の新党くにもり・参政党で事実上、すべての重要法案が決まることになります。

そういう状態を生み出せば、新党くにもり・参政党を含めた野党勢力は圧倒的なバーゲニングパワーを持つことができ、最後の最後で保守系の新党くにもり・参政党両党の動向次第で法案も予算案も決まっていくわけです。

しかも、その何よりの強みは、そのバックに「失われた30年」への決別を決め、明るい未来への希望を託した日本国民がいるということです。
日本の命運を決していくのが日本国民・保守・中道であるということです。

そう見ると日本を挙げてその焦点は、すべて「朗らかで、明るく豊かな、在りし日の日本」に集まる時代にすることができるのが今回の参議院議員選挙です。

そのことを、皆さまに是非ともお分かりいただきたいのです。

皆さまに訴えます。
今回は、与党ではなく野党に投票して「ねじれ国会」を生み出し、未来を切り開く意思を示しましょう。

もう20年以上に及ぶ不幸をここで断ち切る選択と判断を下しましょう。

今回の参院選は未来の行方を左右する極めて重要な社会政治的選択になります。

国防・安全保障に重点を置き、軍事力を整え、経済面では政府が経済活動に積極的に介入することで、社会資本を整備し、国民の生活を安定させ、所得格差を是正し、社会的には国体を明徴にし、国民精神を涵養振作するのと同時に、伝統的価値観・社会規律の復活を目指す政党(あるいは政治団体)・候補者は一体どこの誰か?

未来への歴史的選択肢の判断基準をぜひこれに定めてください。

畏くも 天皇陛下のお治めになる日本の思想の本質、政治の本質、経済の本質、国防の本質にそれぞれ向き合いながら、来たる参院選で私たち日本国民一人ひとりが歴史的意思を示しましょう。


最後に、畏くも 昭憲皇太后の「寄国祝」というお題の御歌(明治25年)を謹んで奉戴致します。


幾千代と かぎりもあらじ しろしめす とよあしはらの 国のさかえは
口語訳:何千年とも限りはありません。天皇陛下がお治めあそばすこの日本の国の栄えというものは。
(「新版 明治の聖代」編者・発行者『明治神宮』)


上御一人に対し奉り日夜それぞれの立場に於て奉公の誠をいたす。
我等は畏みて大御心を奉体し、和衷協力以て悠久の臣道を全うせんことを誓いまつる。

国体を明徴にし、国民精神を涵養振作するという一点で手をつなぎ、肇国の由来を詳らかにし、その大精神を闡明すると共に、国体の国史に顕現する姿を明示し、進んでこれを今の世に説き及ぼし、もって国民の自覚と努力とを促すため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めましょう。

「国体の本義、いまこそ旬」
「国体の本義、臣民の道、明日をつむぎ未来をひらく」
「失った日本を数えるな、残された日本を最大限生かせ」
「新しい日本の世紀、紀元2700年へ!」
想いを共に

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