『クロッシング』はあまりに危険な内容および主張を含むことから、南北融和のノ・ムヒョン政権時代の韓国ではおおっぴらに製作ができず、やむなく、監督らは内容を絶対極秘にして各国ロケを行ったそうです。このあたりは『セブン・イヤーズ・イン・チベット』と似ていますが、同じ民族がこれほど理不尽な酷い目に遭っているというのにその事実には目を瞑り、表向きの南北融和ばかりを演出し、60年以上前の「植民地政策」を引き合いに出して、反日言動を繰り返す韓国人には憤りすら覚えます。

むしろ、北朝鮮問題に関しては、拉致問題と絡めて日本人の方が詳しいかもしれません。
現に脱北者は日本人の方が北朝鮮の人権問題に関して理解があると言っています。失われた10年は大きいですね。
ノ・ムヒョンは北朝鮮から不正な資金を受け取っていたと言われてますが、おそらく殺されたんでしょうね。

「冬ソナ」だの寒流だの煽っているマスゴミはTVでこの作品をもっとクローズ・アップすべきですが、実際北朝鮮勢力の謀略で公開が遅れていたのだそうです。
しょーもない韓国映画入れるくらいならこういう映画をメジャー系の映画館で公開するべきでしょうが、映画業界も同様に腐ってますね。

『クロッシング』は、多数の脱北者に長年取材を行って、彼らの実体験をもとに描かれたドラマであり、モデルとなった家族も、脱北事件も実際に存在しているそうです。

中国国境に近い北朝鮮の村で妻子と幸せに暮らすヨンス(チャ・インピョ)だったが、ある日妻が肺結核を患う。風邪薬さえ手に入らない状況に彼は中国へ出稼ぎに行くが、不法な現場が発覚

し警察に追われる身に。その間に病状が悪化した妻は亡くなり、一人残された11歳の息子ジュニ(シン・ミョンチョル)は父を探しに家を離れる。

ヨンスは元北朝鮮のサッカー選手で金正日から表彰されたこともあるほどの人間だが、今は地方の炭鉱で働いている。
花形選手は北朝鮮では特権階級のはずが、何があったのかは語られないが、おそらく何か党の気に入らない事をしてしまったのだろう。

この映画に描かれている北朝鮮の光景は、ニュース映像などで見るそれと見事に重なっていて、よくまあここまで再現したものだと関心してしまう。
貧しいながらも、他の世界を知らず、比較対象がないゆえに親が健在でさえあればそれなりに幸せだ。
ただ、中国と貿易をしている主人公の友人は、かなり裕福な生活をしているから、格差があることは薄々と感じている。

しかし、貧しいながらも幸せな生活も親がいてのこと。北朝鮮で親を失う事は即浮浪児となる事を意味する。

自分達の置かれている状況が、異常だと気づいたのは、主人公が韓国に亡命してから。
しかし、主人公は向けるべき怒りを金正日に向けず、他の世界や韓国にぶつける。

「北朝鮮(の人間たち)をあのまま放っておいていいのですか!」

「イエス(キリスト)は南朝鮮だけにいることでいいのですか!」

韓国の様々な政治勢力に配慮して北朝鮮を露骨に批判するセリフは意図的に抑えているが、聖書を持っていただけで逮捕されたり、収容所でのあのひどい扱いを韓国人が見ればいかに北朝鮮がひどい国か気づくだろう。
しかし、こういう情報は極左の金大中政権が生まれるまでは、韓国では常識のことだったのだ。
余談だが、昔、まだ南北が対立していた頃、CSで「アルバトロス」という北朝鮮の収容所を部隊にしたコアな映画を観た事がある。
香港のB級映画みたいなノリだったが、収容所での拷問シーンなど脱北者の話と符号するところがあった。


映画評論家の前田有一氏は、見終わったら誰もがピョンヤン上空にF-22の一機も飛ばしたくなると書かれているが、すぐにでも国連は介入すべきだろう。
ルワンダやユーゴは介入して、北朝鮮は介入しないのは核があるからでしょうが、こういう体制を放っておいていいのだろうか。
私は、今のままの体制では絶対に拉致問題は解決しないと思います。

こんなカルト国家に、拉致被害者という人質を取られた状態で「先に国交正常化交渉をすべし」という論がある事が信じられません。
そういう人達は頭がおかしいのでしょう。 まずは自分の身に置き換えてもらいたいものです。


今の連立与党である社民党は朝鮮労働党と友好関係にありましたが、このような党と連立する民主党も同じ穴の狢なのでしょう。
まあ、創価学会と連立する自民党もえらそうな事言えませんが。
そもそも福島ミズポが脱北者やチベットやウイグルの難民と会って話したという話を聞いた事がありません。エセ人権派とはこういう連中のことを言うのでしょう。

その点、元共産党員でありながら、中国や北朝鮮批判を繰り返す萩原遼先生こそ本物の人権派でしょう。


拉致問題に関する集会で北朝鮮帰国者の人権問題に携わっておられる萩原遼先生の講演会を聞いた事があります。
この人は元共産党で北朝鮮に渡った友人から連絡が途絶えたことを心配して、「赤旗」の特派員として北朝鮮に渡った時に友人の消息を調べる内に、北朝鮮の実態を知り、怒り、告発するに至ったという経歴の持ち主です。
特に批判をしたわけでもないのに北朝鮮政府に睨まれたそうですが、どうやら顔に出ていたのだそうです。
あの国で外交官としてうまくやっていくにはポーカー・フェイスになるしかないとか。

昔、日本共産党は北朝鮮労働党とは疎遠だったのですが、関係が良好になるに連れ、北朝鮮批判をする萩原氏が煙たくなり、除名するに至ったのだそうです。
たかじんの番組によく出ている筆坂氏も中国共産党批判をして除名になったそうですが、意見の合わない人間を除名するのは独裁政権の常套手段ですね。

除名になっても彼らは社会主義者ですので共産主義嫌いの私の考え方とは違うところはありますが、人間的にはどちらも素晴らしい人です。共産党に除名される人って皆いい人なんですね~(藁)

「拉致問題の集会では大勢集まるが、これは家族や友人の力もある。一方、北朝鮮の人権問題ではなかなか集まらない。これは在日が無関心であることにも問題がある。60万もいるんやからも

っと集まってもいいはずやのにね」とおっしゃってました。

講演後に萩原先生と少しお話させていただいた時、はっきりと私の意見を言いました。
「ネットでもチベット問題では盛り上がるけど、中国よりはるかにひどい北朝鮮の人権問題に関してあまり盛り上がらないのは、在日の人の態度にも問題あると思います。
差別差別と連呼し、参政権寄こせ、ではねぇ。いくらマスコミが綺麗ごと言っても、多くの日本人はウンザリしているというのが本音ですよ。そういう事より同胞を苦しめている北朝鮮という悪魔と闘ったらどうかと思いますよ。
そもそも彼らが何をやっているのか全然見えない。彼らが一丸となって北朝鮮という悪魔に声を上げれば皆見直すと思いますよ。」
「わかるんです!あなたの言う事。在日にとっては北朝鮮なんてどこか遠い世界の出来事なんですよ。
それから差別だ差別だとうるさく言っている人はごく一部なんです」

欧米でもチベットほど北朝鮮の人権問題は知られてませんが、これも欧米の韓国系が無関心だからでしょうね。
こういうところがあの人達のだめなところだと思います。
韓国人に「北朝鮮と統一したいか?」と聞くと皆「統一したい」と答えるのですが、ではいつしたいかというと100年先っていうんですね。つまり自分の代では統一したくないんでしょう。東ドイツを受け入れたドイツの悲劇を知ってますからね。
脱北者にもこれ以上入ってきてほしくない。これが本音なんでしょう。

韓国人も本当の敵が誰なのか気づいてもらいたいものです。


この封印されていた脱北映画『クロッシング』の顛末は
今発売中の「新潮45  3月号」に載っています。
「新潮45  3月号」

http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20100218/