膠原病の痒み 特徴ある兆候と現象 | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

膠原病の痒み 特徴ある兆候と現象

①ショール兆候、腰背部の紅斑 (皮疹のみで診断可能な患者がある)

皮膚筋炎に見られる皮疹で激しい痒みを伴う。ショール徴候とは、後頸部から肩にはびまん性浮腫性紅斑さす。まるでショールを巻いたかのように見えるため、その名がある。さらに背部には線状紅斑・鞭打ち様紅斑と呼ばれる特徴的な皮疹を呈することが多く、激瘙を伴うことも多い。掻破痕が見られることが多い。担癌率が高いとの報告もあり、特定の自己抗体の検出と組み合わせで、痒み・内臓悪性腫瘍などの対応が可能となっている。

 

②ケブネル現象 (皮疹の分布を過剰に評価するかもしれない)

健常皮膚部に掻破、摩擦,紫外線、などの刺激が加わった後,刺激部位に一致して原疾患と同じ皮疹が生じる現象をいう.乾癬,扁平苔癬,サルコイドーシス、皮膚ループスエリテマトーデスなどに典型例が見られる。

 

ループスエリテマトーデスでの特徴は、

1.誘引:日光、外傷、掻破、暑さ、寒さなど、

2.広範囲は誘発で全身症状も増悪、

3. 内臓にも出現しうる(特に肺)、

4.ステロイド薬全身投与中は抑制される

である。

 

 

 

参考文献

古川福実、植木宏明:ケブネル現象をめぐって、皮膚アレルギーフロンティア 3 (2) 100-108, 2005

日本皮膚科学会hp https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s3_q01.html

残念ながらショール兆候の写真は出ていませんが、一般的な事実として知っておくべき内容です

写真は、参考文献から借用