『ダーウィンの呪い』を読みました。
4月1日は病院の入職の日です。朝から恒例の式が行われました。そこで思い出すのは2017年から2021年の五年間にわたって新入職員に挨拶を行いました。新職員にああしてほしいこうして欲しいという希望を述べます。ある年にダーウインが言ったとされる「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」を紹介いたしました。厳密には彼の言葉ではないそうです。
最近ダーウィンの呪いという本を読みました。進化論というのは結局、社会科学、人種論、文明論、それが政治などと密接に関係せざるを得ない状況になってきた過程が非常に詳しく述べてありました。微細な違いも重要だということは分かりましたが、どのように違うのかということは完全には分かりませんでした。記憶に残ったところをメモしておいたのでそれを羅列して今後の方向性の礎としたいなというふうに思っています。
ダーウインの考えとはかけ離れて、神の摂理に祭り上げられたところに問題はありそうです。神の摂理には逆らえませんから。水戸黄門の紋所みたいです。しかし、ホロコーストに結びつくわけですからその過程については認識を深める必要があります。
「ダーウィンの呪い」の中枢は、科学的事実から価値判断や規範への論理的飛躍にあるとの一言は名言です。科学がしっかりしないと、さらに間違った倫理が跋扈することになります。そこに深在するのは人それぞれに夢を持てない状況であり、もし失敗があればその失敗を修正できない、いわば閉塞状態こそが危険なのだとのメッセージを感じました。
『ダーウィンの呪い (講談社現代新書)』千葉聡著