八月の御所グラウンド 万城目学 文藝春秋 | FF残日録のブログ

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広島県出身。各地で皮膚科の医療に関係してきました。2017年から,高槻の病院に勤めてます。過去の文書や今の心のうちを,終活兼ねて記して行こうと思ってます。2023/1/8に、dermadreamからFF残日録のブログに名称変更。

八月の御所グラウンド 万城目学 文藝春秋

 

生者と死者が交差する物語です。 大変面白く読みました。余韻が残りました。

大学4回生の主人公は、ひょんなことから八月の御所グラウンドで開催される草野球の大会(リーグ戦)に駆り出されることに相成りました。人数を揃えるために、いく人かの助っ人が登場して話を過去現在あるいは未来と拡大しています。助っ人の背景が、メインで描かれる物語とあいまって、徐々に興味が湧いてきます。最初の1/3あたりは面白くもなかったので、やめようとおもいましたが、中盤から後半は面白く読めました。京都のピースの使い方が上手とおもいました。京大農学部グラウンド、出陣学徒壮行式(1943年11月20日)、京都商業学校の生徒で甲子園にて活躍した沢村栄治と戦死、戦場に散った学徒や若人への鎮魂の場としての大文字の送り火、などなど。

50年前の京大農学部グラウンドでの全学サッカートーナメント戦を思い出しながら読了いたしました(出身高校別のチーム、一回戦負け)。