編集後記 第15巻第1号
最近興味深かったのがBr J Dermatolの刺青の治療に関してのやり取りである。2004年の150;770-771にイギリスの皮膚科医がRejuvi Tatoo Removal Systemと言うNon-laser法で刺青を除去した患者2名に瘢痕や線維化が生じていた事例を報告している。詳細はオリジナルを読んでいただくとしていくつかの問題点が指摘されている。この方法や機器が医学用として登録されていない。医師免許は不必要である。安全安価迅速などを宣伝文句にしている事などである。著者たちは厳格な法規制等を求めている。ほどなく、反論がメーカーからよせられている(150: 1282-1283,2004)。それによると、効果は極めて高く、安全である。報告された事例では、ビューティーサロンの施術者が未熟であったのであろうなどと言う趣旨である。この反応に対して症例報告したイギリスの皮膚科医は、機器メーカーとの共同研究や公正な検証論文が必要なことを述べている(150: 1283-1284,2004)。
機器の進歩は目覚ましが医師やメーカーの関係者の対応は後手になりがちである。今後、率直な検証論文や学会での検証委員会の活動等が必要となっていくであろう。
2023年の今でも同じようなことが繰り返されている。
2005年4月15日 編集長 古川福実
なお、原文の中に文献の紹介位置が間違っていたので、訂正しています。
文献
Adverse side‐effects following attempted removal of tattoos using a non‐laser method. British Journal of Dermatology, https://doi.org/10.1111/j.0007-0963.2004.05876.x
Chemical extraction technique for tattoo removal
British Journal of Dermatology
https://doi.org/10.1111/j.1365-2133.2004.06287.x
Chemical extraction technique for tattoo removal: reply from authors
British Journal of Dermatology,
https://doi.org/10.1111/j.1365-2133.2004.06288.x