編集後記 第14巻3号 日本美容皮膚科学会雑誌 1
2から3年前まで学会のトレンドであったケミカルピーリングの講演会は、さすがにその数が減少してきている。逆に、シミ、くすみ、色白などのいわゆる色素衣装関係とシワに対するレーザーや注入療法の講演会が徐々に増えてきているような印象である。
中略
このような流れの中で、本学本学会誌の役割は何だろうかとしばしば考え込む、美容皮膚科学のトレンドを紹介することも重要。だが、これは商業誌や単行本に任せるのが良いだろう。魅惑的なタイトルややらせっぽいテーマは若干なじまない。やはり総説や地道な研究論文、臨床論文が王道であろう。しかしこの王道は鈍行列車である臨床研究や治験論文を完成し、論文をまとめて投稿するまでには最短でも2年位かかる。その評価が確定するまでには、少なくともさらに数年は必要であろう。現実を見ると、ついから次に市販される美容関係の薬品や機器の紹介宣伝がなされ、それらを用いた成果が矢継ぎ早に学会で発表されているいわばのぞみ号である。評価しようと思っていると次の望みが目の前を通り過ぎる。何台もののぞみに追い越される鈍行列車に乗っていると時に焦りもする。が、他に方法もないので、私は亀よとばかりにスローペースをきめこんで皮膚科の教授と編集長の色を染めているのが現状である。
2004年12月15日 編集長 古川福実
付記
日本美容皮膚科学会雑誌(Aesthetic Dermatology:The Journal of Japanese Society of Aesthetic Dermatology)は,美容皮膚科学に関する論文,学会抄録および会報を掲載してい