It’s Biology.
コロナ感染で、医療崩壊とか言われる危機状態になっています。特に、オミクロンになって、救急患者さんや登録医の紹介患者さんを多数断らざるを得ない状況は、病院の管理者として申し訳ない思いでいっぱいです。でも、どうにもなりません。
原因、対策などに関していろんな説明が、マスコミなどを通して流れてきます。ふと、留学中の上司(コロラド大学Norris先生)の言葉を思い出しました。30年近く前の話ですが、培養細胞を使った実験をしておりました。予想通りの結果は出ないものです。何度も繰り返しです。上司にあんたのテーマが悪いんじゃないの?と言わんばかりのプログレスレポートをしていたときの返事が、It’s Biology.でした。生物学は、本当に奥が深く掴みどころがないと思うことが多々ありました。人は生物学もコントロールできると思い込んでいたら、滑稽です。今回のコロナ騒動で思うのは、人は大きな勘違いをしているのではないかということです。施策で可能なのは、起こった事象を早く解析して対応策をとることにつきます。それもせいぜい、人の世界です。人が関与できる範囲は極めて狭いです。生物を巻き込んだ事象に対しては、まず全てに対して謙虚に受け止めるべきと思います。
てなことを、多くの断診の報告を聞きながら、思いました。
