初心に帰って、感染症に対応いたします。新型コロナから逃げない挑戦的な立ち位置を堅持し、総合的かつ科学的に対処することで、恐れることのない正しい情報発信に努めます。
この文章は 2021年1/4に地域向けの挨拶に職員向けの文章を追加したものです。
挨拶 2021 正月
感染症と戦い続けた高槻赤十字病院創立80年の歴史に想う
院長 古川福実
あけましておめでとうございます。皆様方の年末年始はどうだったでしょうか。
私は、感染症と戦い続けた高槻赤十字病院創立80年の歴史に想意を馳せておりました。
2020年は新型コロナの対応であっという間の1年でした。まだ、解決の兆しは見えません。感染症との戦いは、不安との戦いです。高槻赤十字病院は、今年、開設80年を迎えます。その歴史の大半において、感染症に勇気を持って戦い続け、不安と疾病を払拭してきました。ご存知のように、本院は、結核の予防と治療という国家的見地から、1941年11月2日、日本赤十字社大阪支部病院分院阿武野勝景園として誕生しました。結核からがん診療への流れの中においても、結核患者の診療に関わり続けていることは周知の通りです。1980年には天然痘の根絶宣言という人類の金字塔が打ち立てられるなど、感染症はもはや脅威ではないと思われていました。しかし、それと前後して、1976年にエボラ出血熱、1981年にエイズ、2003年にSevere Acute Respiratory Syndrome、高病原性鳥インフルエンザウイルスなどの新興感染症などが人類に挑みかかるように次々と現れています。しかし、人類は正しい知識を獲得し、克服してきました。私は、新型コロナに対しても他の事例に学ぶこと、ワクチンの開発や全身管理法の改善により、必ず乗り切れるものと確信しています。
なぜ旭川の病院でメガクラスターが発生したのか。(1)油断 (2)初動の遅れ (3)事前の準備不足がその原因であったのではないかといわれております。どこか“他人ごと“の感覚であったということや、院内感染が判明した時点で、感染経路をトレースではなく即座に患者・職員を徹底的に検査するべきだったとの指摘があります。
事前の準備「そもそもクラスターが発生する前に、職員のこまめな健康観察、気軽に報告できる雰囲気、PCR検査体制の拡充など、いざという時の準備をもっと徹底する」。この点は、本院は感染症対策チームをはじめとして皆さんが一致協力して実行していることで、極めて優れた点です。
私ども高槻赤十字病院は、新型コロナから逃げない挑戦的な立ち位置を堅持し、総合的かつ科学的に対処することで、恐れることのない正しい情報発信に努めましょう。そして、地域の皆様、患者さん、連携の医療関係者の皆さんとともに、新型コロナを克服していきたいと考えています。
感染症と戦い続けた80年の歴史から、今後も「人道・博愛」の精神に基づき、安全・安心な医療を提供する医療機関として日々邁進していきましょう。
令和三年元旦
