$ニッパーのシステムトレード研究所

またもやひまわり証券HPにある田中さん連載ネタです。

->トレーディング、Arts&Logic by 田中 雅 - 間奏曲(2):市場のパズルを解く

今回は前記事のシステムトレード現代史概観であったシストレ第三世代に当たる、遺伝子アルゴリズムに関するお話。

ニッパーなりの解釈。遺伝子アルゴリズムとは最適な組み合わせを現実的な時間内に見つける方法の1つ

イザナミなどシストレツールでルールを日々開発しているとそのうち、
自動で最適なパラメータを探しせないかなと思ってきます。

ざっとルールを考えて、細かいパラメータ調整はPCに自動でやらせて
あとは寝て待つだけみたいな感じです。

しかし、これよく計算してみるととんでもない時間がかかります。時計

例えばゴールデンクロスの組み合わせを考えてみますね。

ゴールデンクロスとは移動平均線の交差をきっかけに売買することです。
25日線と75日線なんてのがよく使われます。

この1つ目の線と2つ目の線の計測期間(25と75の部分)の組み合わせで最適なものを探そうとおもって以下のように考えてみます。

例えば
1つ目の線は2~25日の範囲で探す、となると24通り
2つ目の線を50~120日の範囲で探す、となると70通り
全てしらみ潰しやっていくと24x70通りで1680通りの組み合わせです。

1回3分でバックテストが終わったとすると
3x1680=5040分=84時間 つまり約3日半かかるという計算です。ビックリマーク

シンプルなゴールデンクロスの、しかもある限られた範囲内ですら
最適な組み合わせを探すのにこんなに時間がかかります。

そんなわけで、まともにいろんな組み合わせを検証しようとすると何兆もの組み合わせとなり、
どんなにPCが進化しても、とてもまともな時間内に検証がおわらないのです。ガーン

しかしこれをなんとかしてやろう!というのが遺伝的アルゴリズムというわけです。

これを使うと短期間で正解に近い答えをえることが出来るそうです。(ぴったり正解ではないのです)

現役で使われている遺伝子アルゴリズム

このアルゴリズムは夢物語じゃなくて
新幹線N700系電車のフロントノーズの設計には遺伝的アルゴリズムが使用されているそうです。
現実で役にたっているんですね(情報ソース:http://gagplab.com/gagp.html)

しかも米国のボブ・ムーア(Bob Moor)という人が考え出した、プリディクト(Predicto)というS&P株式指数先物の取引システムでは、すでにこのアルゴリズムを使っているというのです。

しかも1995年にネットで無料公開されているという先端っぷり。
軽くググっても見つからなかったですが、きっと英語なのでニッパーには解読不能でしょう。

しかし気になる記述が
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筆者が1年ほど前に発見した逆張りシステムも、ひまわり証券が提供するシステムトレーディングソフトであるトレードシグナルのGAオプティマイザーを使って発見したものである。
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トレードシグナルってプログラム出来ればこんなこともできるんですね。
GAオプティマイザーってものがこれまたググッてもででこなかったのですが、非売品なのでしょうか。

短期取引では人間が勝てない世界になってきた?!

遺伝的アルゴリズムにしろ人間が考えるにしろ、発想の根っこは一緒のようです。
「いかにして、最適な売買ルールとなる組み合わせを探すのか」
その方法の違いだけのようですし、そもそも遺伝的アルゴリズムが無敵というわけじゃなさそうです。
人間が絶対勝てないというわけじゃないみたいですね。

しかし最近話題のアルゴリズムトレードってやつは、リアルタイムで入ってくるあらゆる指標を遺伝的アルゴリズムとかを駆使して人間では処理できないような速度で組み合わせ、最適な売買タイミングを検索し、光の速さで発注するのでしょうね。

…なんかデイトレでは人間は機械に絶対勝てない気がしてきましたよ。

人間にはスイングトレード(数日から数週間)以上の中長期スタイル以外は勝てない時代がやってくるのかも。わんわん

->トレーディング、Arts&Logic by 田中 雅 - 間奏曲(2):市場のパズルを解く
->前記事:システムトレード現代史概観