目標設定の季節になりましたねー。

 

CC:GotCredit

 

ぼちぼちみなさん決まってきているかと思いますが、

設定の仕方によっては目標がサービスや仕事を殺す事もある、

という件はなかなか見過ごされているんではないかと思います。

 

私が例として引かせていただきたいのは、「労時売上」という概念です。

 

労時売上とは飲食の大手チェーン店などでは当たり前に追われているようで、

以下のような指標です。

従業員1人の1時間当たりの売上高のこと。

 

人時売上高は、次の計算式で求めることができる。

人時売上高=売上高÷総労働時間数

 

例えば、売上高が10万円で総労働時間数が20時間の場合、人時売上高は5000円となる。なお、総労働時間数には、社員の他にアルバイトやパートの労働時間を含めることが多い。

 

http://www.weblio.jp/content/%E4%BA%BA%E6%99%82%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98


この指標、重要なポイントとしてはオペレーションの簡易さやシフトがうまく回っているか

を把握する為の「結果論」の指標であって、これを現場が頑張る指標として設定する

性格のものではない、という事です。

 

どちらかと言えば、この指標が落ちていると効率性が悪い何かがある

という事を発見するようなアラートの役割を担っているそうです。

 

で、これをすき家で現場の目標として設定して、結果として店舗閉鎖にまで追い込んで

しまったという事をTwitter で ktgohan さんという方が指摘をしています。

 

この手の問題は実は目標設定ではとても多く起こります。

 

例えば、

 

管理画面の利用を広げるためにオペレーションがどれくらい行われているかを見よう、

とするとします。

 

これは、一見正しそうに見えますが、逆効果を産みます。

 

なぜなら、オペレーションは少なくしていった方が実は効率的な運用ができる事の

傍証となるからです。

 

ですんで、本来利用の拡大をがんばってこの指標を上げていかないといけないのに

しなくて良い作業を増やしてこの指標を上げるという事ができてしまいます。

 

目標を達成したい人ほどこういう事をやります。

 

ですので、これは典型的な結果論のKPIです。これを目標にしてはいけない。

でも、把握をしておくと、状態を簡易に知る為に役に立ちます。

 

重要指標だからと行って目標設定に使ってしまうと、

サービスを殺すほうに機能する

事もあることを設定する側の上司は常に考えるべきだと思います。

 

また、目標を設定される側も「その指標は理念と真逆の効果を産んでしまう」

という事を真剣に議論するべきだと思います。

 

重要指標と、目標にするべき指標は違う事があるのです。