読了しました。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
井川 意高
双葉社
売り上げランキング: 3,034


大王製紙の井川前会長による、自伝です。
「懺悔録」とありますが、内容としては半生を振り返っておられるので
自伝だと思います。

ギャンブルにはまり、108億円もの借金をグループ会社からひっぱり、
特別背任で逮捕されるまでの事を振り返っておられます。

とにかく額が半端無い。

そして、決して金持ちだからといって特殊な環境で育てられた訳では無いと
振り返っておられるのですが、108億円を「いつかは返せる」として借りていた
感覚はやはり常人離れしていると思います。

実際逮捕後に完済できてしまっていますし。

これを読んで思った事は、
大勝負は一発逆転の為にやってはいけない
という事です。

興味本位でカジノに通い始めた井川さんは始めは種銭の範囲だけで勝負します。

ただ、あるとき飛行機の時間ぎりぎりで負けていた時、
「どうせなら全力でかけてやれ」と全部を突っ込み勝ってしまいます。
そして、その時の負け分も全て取り戻してしまうのです。

これで、「全てをつぎ込んで勝てば取り戻せる」という成功体験ができてしまいます。

そうして、全力勝負、負ける、さらに全力、負けるという
スパイラルからは最終的に莫大な借金を抱える事になりました。

大勝負で逆転できればかっこいいのですが、
それは裏を返せば負ければそこで終わりという事。

首の皮一枚でも生き残れる算段をつけながら勝負しなければいけないと
分かる本です。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
井川 意高
双葉社
売り上げランキング: 3,034