久しぶりに面白かったのでエントリー。

下は、先週の金曜日の夜20時頃に Google で「派遣 登録」と検索した際の SERPs です。
これについてツラツラ書いてみます。

[画像]-派遣_登録serps

■見事な Google の回答


まず、検索結果を提示してきたGoogleについて考えてみましょう。

ひとことで言うと、これぞブレンド検索という見事な検索結果だと思います。

「派遣 登録」という、今派遣会社の登録について調べてる人に対して、
派遣会社の一覧を提示するとともにいわゆる派遣切りについての
情報提供をニュース検索を通じて行っています。

派遣社員を取り巻く問題である本件は正に知っておいた方が良い情報な
わけで、うまく必要な情報を提供できていると思います。

さらに、この派遣切り問題は、
一部ではあまりにも感情的な報道では無いかという意見があるのも事実です。

そして、その事実を Google はブログ検索を通じて提示しています。

前提に知っておいた方が良い情報と、それに対するカウンターバランス
さらにその上で登録できる会社の一覧を提示する。
ブレンド検索が役に立つ。と思える結果でした。

*実は、「派遣 登録」だけでなく、「派遣」単体ワードで検索しても
 同じようなブレンドが提示されます。

■検索者の心理はどう動くか?


さて、Google で検索した人はこの結果を見てどういう心理になるんでしょうか?

まず、「派遣切り」についてのニュースに関して言えばクリックしないことの
方が難しいように思えます。

旅行前に旅館の評判が気になるのと同じで、留学前に国のことが気になるのと
同じで、やはり自分が選ぶ雇用形態の待遇は気になってしまうものだと思います。

派遣切りについての一連のニュースを見た後であれば、
 - 突然契約が終わることがある
 - 現在雇用情勢は厳しい
 - 一部には寮付きの派遣もあるみたい
といった前提知識を持って再度「派遣 登録」という検索結果を眺めていることになります。

■それでは派遣会社はどう対処すべきか?


いつもと違う心理で検索結果を眺めている検索者に対し、それでは派遣会社は
どういった対処ができるのでしょうか?

この問題の面白いところは、
「検索ワードは変わっていないのに検索者の心理は変わっている」
というところでしょう。

特に、「突然契約が終わることがある」と思いながら情報収集をしているというのは
思いのほか影響が大きそうです。

結論から言ってしまえば、それについての情報提供をなんらかの形で
行った方が良いと思われます。

たとえば、「派遣切り」はたとえ派遣先企業の契約が中途解約になったとしても
派遣会社が次の職場を見つけられれば雇用はそのまま維持されます。

そうであるならば、今一度派遣会社と派遣先企業の関係を整理しなおし、
「弊社は派遣先企業数No1なのでたとえ中途解約になっても次を紹介できる」
「弊社は待機期間中も職業訓練のコースを用意し、次のステップを応援する」
といったセーフティネットをアピールして競合優位性を出す。

という訴求軸が考えられそうです。

■で、それをどう訴求するか?


一般に、こういう緊急性を要する情報提供にはリスティングが向いているといわれますし、
事実そうです。
なので、リスティングを工夫するというのがひとつ。

ただ、この問題は不景気になれば繰り返し起こるだろうという読みの元、
セーフティーネットに関するコンテンツを作成し、「派遣会社 セーフティネット」といった
検索ワード群でSEOをするという選択も考えられます。

Google ニュースの特性をうまく捉えて、「すぐに働ける会社特集」を実施し、
プレスリリースを打つというのも手かもしれません。

いずれにせよ、欲しいと思える情報を適切に提供するということですね。

めでたしめでたし

[追記]
Yahoo! で「派遣村」を検索すると、リスティングのプレミア枠よりも上に
ニュース検索がブレンドされてます。

こんなの前からありましたっけ??


今日のニッパウ-派遣村




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