タイトルは挑発的ですが、メディアリテラシー本。というのが
近い表現だと思います。
カナダで生まれたものの、外交官である父の都合で世界を転々とした著者
は、上智大学経由でカナダの大学を卒業。その後に日経ウィークリーおよび
フォーブスに勤務し、その後にフリーのジャーナリストになります。
彼がメディアリテラシーの基礎として挙げる原体験があります。
ひとつはメキシコでの歴史の授業のこと。当時著者が通っていたインターナショナル
スクールでは、午前中にはスペイン語でメキシコの教科書を使った授業を、
午後には英語でアメリカの教科書を使った授業を受けたそうですが、その時の
様子が情報はどういう風に発信されているかを物語っています。
長いですが引用します。
この2つの戦争、まったくべつに思えますが実は同じ米墨戦争なのです。
立場が違えば報道が変わる。自分の持ちうる知識でなんとでも変わるのだ。
という学習を彼はします。
大枠で話をすると彼は日本の報道機関が経済原理やその他利権に
コントロールされていることを知り、絶望します。
具体例として死亡したジャーナリストや自身が脅された例をあげていますが、
「本当にやばいネタを追い続ければ、脅されるのではなく、ただ単に君が行方不明になる」
ことだそうです。
さて、そうしてフォーブスに移る彼ですが、やはりフォーブスはじめとする欧米メディアも
経済原理からは逃れられないのでした。
その最たる例としてあげられるのが自身の経験でした。インターネットセキュリティの会社に
ついてのもので、年間相当額の売り上げがあるインターネットセキュリティの会社が、
じつはコンピューターウィルスを作ってばらまいていたという事実をつかみ、記事にします。
しかし、その記事は掲載許可がおりませんでした。なぜならその会社がフォーブスの
お得意様の会社だったからです。
ちなみに9.11や選挙に関する記述も見られますが、これはマイケルムーアの
『Dude , where is my country?』での取材とほぼ論が一致しています。
ちょっと話はずれるのですが、メディアの編集の独立性の話で、
面白い論があるのでご紹介します。
上述の通り、メディアが広告費でビジネスをする以上、大口の広告主の悪口は
どうしても書きずらいところがあります。
しかしながら、広告ネットワークのみから収入を得ている場合これが解消される
可能性があります。
メディアが直接営業することがなくなりますし、よしんば1社が掲載NGの設定を
してもほかの広告主の広告が掲載されればOKです。
それに、やらないとは思いますが Google が窓口となって
「おたくは編集に介入するから掲載NG」とやり返すことができるかもしれません。
もちろん、ネットワーク広告の収入だけでビジネスをしていくというのは
あまり現実的な選択肢ではないと思いますが。
ちょっと話がずれましたがよい本です。
機会がありましたら立ち読みでもしてみてください。
気軽に読めるフルフォード入門
大学生のわが子にも読ませたい
今の日本の現状を認識するには必要な本
相変わらずの「ガイジン」本
近い表現だと思います。
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■♪俺はカナダ生まれメディアビジネス育ちー
カナダで生まれたものの、外交官である父の都合で世界を転々とした著者
は、上智大学経由でカナダの大学を卒業。その後に日経ウィークリーおよび
フォーブスに勤務し、その後にフリーのジャーナリストになります。
彼がメディアリテラシーの基礎として挙げる原体験があります。
ひとつはメキシコでの歴史の授業のこと。当時著者が通っていたインターナショナル
スクールでは、午前中にはスペイン語でメキシコの教科書を使った授業を、
午後には英語でアメリカの教科書を使った授業を受けたそうですが、その時の
様子が情報はどういう風に発信されているかを物語っています。
長いですが引用します。
ある日私は19世紀に起こった戦争の授業を受けていた。午前中のメキシコ式の
授業では、アメリカがメキシコを騙して領土を奪い、メキシコシティでの戦いでは
勇敢な軍人学校若者が立てこもり、抵抗したものは皆殺しにされてしまったと習った。
一方、午後のアメリカ式の授業ではテキサスの自由を守るための戦いだった。
テキサスの軍隊がメキシコ軍に包囲されながらも勇敢にたたかったと教えていた。
この2つの戦争、まったくべつに思えますが実は同じ米墨戦争なのです。
立場が違えば報道が変わる。自分の持ちうる知識でなんとでも変わるのだ。
という学習を彼はします。
■経済とメディア
大枠で話をすると彼は日本の報道機関が経済原理やその他利権に
コントロールされていることを知り、絶望します。
具体例として死亡したジャーナリストや自身が脅された例をあげていますが、
「本当にやばいネタを追い続ければ、脅されるのではなく、ただ単に君が行方不明になる」
ことだそうです。
さて、そうしてフォーブスに移る彼ですが、やはりフォーブスはじめとする欧米メディアも
経済原理からは逃れられないのでした。
その最たる例としてあげられるのが自身の経験でした。インターネットセキュリティの会社に
ついてのもので、年間相当額の売り上げがあるインターネットセキュリティの会社が、
じつはコンピューターウィルスを作ってばらまいていたという事実をつかみ、記事にします。
しかし、その記事は掲載許可がおりませんでした。なぜならその会社がフォーブスの
お得意様の会社だったからです。
ちなみに9.11や選挙に関する記述も見られますが、これはマイケルムーアの
『Dude , where is my country?』での取材とほぼ論が一致しています。
■編集の独立を守るかもしれない Google
ちょっと話はずれるのですが、メディアの編集の独立性の話で、
面白い論があるのでご紹介します。
上述の通り、メディアが広告費でビジネスをする以上、大口の広告主の悪口は
どうしても書きずらいところがあります。
しかしながら、広告ネットワークのみから収入を得ている場合これが解消される
可能性があります。
メディアが直接営業することがなくなりますし、よしんば1社が掲載NGの設定を
してもほかの広告主の広告が掲載されればOKです。
それに、やらないとは思いますが Google が窓口となって
「おたくは編集に介入するから掲載NG」とやり返すことができるかもしれません。
もちろん、ネットワーク広告の収入だけでビジネスをしていくというのは
あまり現実的な選択肢ではないと思いますが。
ちょっと話がずれましたがよい本です。
機会がありましたら立ち読みでもしてみてください。
騙されるニッポン (青春新書INTELLIGENCE 179) (青春新書INTELLIGENCE 179)
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