河野さんの本読んだのに感想書くの忘れてた!

■ネットでタダでも本を買う

一言でいうと、河野さんのブログの読者には編集の威力を、
そうではない人はネットの総論がわかる内容です。

僕は前者だったので前者の話をします。

某サイトの編集長と話したとき、こんなことを言っていた。

「うちは、ネットの情報をまとめて紙の雑誌にしてます。
 ネットは毎日見られる人用、まとめて読みたい人の為に
 雑誌を出しているんです。」

そんな馬鹿なと思うだろうか。
僕も思っていた。ネットで無料で見られるものにお金を払うはずがない。
そんな風に。

でも違うのだ。経済的に、時間的に、作業的に、
とにかく負担にならないのであれば、人間楽な方を選ぶ。

「能動的に情報収集して、きちんと自分なりの見立てを得ることが重要だ。」って
人がいる一方で、「そんなことするのはめんどうくさいので、信頼できる見立てを
紹介してください、そのためのお金は払うんで」という人が存在する。

600円で面白いスレだけを読めるなら2ちゃん新書を買ってしまうのである。
プロセスを買えるなら買うべき。確かに、それなりに合理性もある。

■編集の価値とは何か

そして、『そんなんじゃクチコミしないよ』はネット上の文章を本にするときの
お手本のような出来だと思う。

ためしに smashmedia 読者の皆様、どうやってこの本を売り込むか考えてください。
僕が思いついたのは下記の感じ。

・とりあえず、まじめな内容だけ。人気の高いマーケティング関係のエントリーだけまとまってるよ。

・エントリーが再分類されてる。例えばTVCM崩壊という文脈で、時系列をまたいで
 エントリーがまとまってるよ。論点をまとめて読めて、便利でしょ。

・巻末にオリジナルコンテンツが入ってるよ。これだけでも読む価値ある。

そのまま、編集の価値とは何かという話みたいだ。
つまり、

・必要な情報のみを抽出する

・関連性や読みやすさを考慮して再整列する

・買うときの最後の一押しになるようにおまけをつける

ということ。

ネット上の文章でビジネスしてる人は読むべきだし、
きっと、編集についての新しい発見があると思う。

そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>
そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>河野 武

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