問題です。

日本でインターネット広告代理業に従事する人が、
昨日食べたラーメンの数は合計で何食でしょう?

答えが無い。分かるわけないって思いましたか?

あなた、「ジアタマデバイド」時代の負け組かも知れませんよ。
今回ご紹介する『地頭力を鍛える』は、そんな時代をフェルミ推定で乗り切る本です。

らーめん
by snowy's goodthings

■フェルミ推定でざっくり値を求める

フェルミ推定というものがあります。

先ほど冒頭で書いた類の、はっきりと答えは分からんけど、
手元の情報から類推するテクニックのことです。

例えば先ほどの問題でいくと、

 とりあえず○○食くらいと答えが出れば良い。

が結論で、そのためには、

 ①インターネット広告代理業に従事している人の人数
 ②ラーメンの消費量

の2つがわかれば大体解決できそうです。

で、ここで早速 Google してはいけません。

①、②それぞれについて知っているか、知らなければさらに
推定の材料を出していきます。

例えば、①であれば僕がわかるのはサイバーエージェントの代理事業の
売上と人数です。

であれば、ひとりあたりの売上を計算して、インターネット広告市場のうち
媒体費の4,500億円をその数値で割ってみれば、いい線いけるかもしれません。

これで、問題の①はなんとなく数値が出ます。

次に、ラーメンの消費量です。まず、食事の回数を単純に考えれば
①で出した人数×3ですね。ですが、朝食がラーメンなのは相当の変態なので、
これは除外。

つまり、昼と夜に月間でどれくらい食べそうか推定できれば
それを30で割ることでざっくりと推定することができます。

とまぁこんな感じに進めていくわけです。

■フェルミ推定とビジネス力

ところでこの作業にはビジネスに必須のスキルが含まれています。
すなわち、「結論から」「全体から」「シンプルに」考えるスキルです。

必要なはずの材料が欠けている。というのも往々にして起こる事態で、
その時に、仮定を共有して進められかどうかは大きな差です。

上の例にしても、100×100が答えなのに、仮定の結果105×115に
なったら飛んでもない差。これに万人がついたら大変だと思っていると
進められません。

逆に、こうして落とし所を決めて、そこにたどり着くまでに必要な要素を
あげて、そろったと仮定してこう進める。
と考えておけば仕事の運びやすさがだいぶ変わります。

「結論から」「全体から」「シンプルに」。

問題解決を学ぶ本でほぼ共通してくるこれらの項目を、
フェルミ推定を通して学ぶのが本書です。

いつでもこころがけておきたいですね。

細谷 功
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」