パキスタン 民族衣装~女性の場合
国民的衣装
パキスタンの国民的衣装は「サルワール・カミーズ
」です。男女ともに着用し、男性の場合はシャツの「カミーズ」と、ズボンの「サルワール」の2点セット、女性の場合はさらにストールの「ドゥパッター」を組み合わせ3点セットで着用します。
女性の民族衣装
女性の「サルワール・カミーズ」には色々な形、色、デザインがあり、特に「カミーズ」の前身ごろには様々な装飾や刺繍が施されています。その他、長めのシャツとゆったりとしたズボンでできた「パティアラ・サルワール」、細めのズボン(スパッツみないな感じ)でできた「チュリダール・パジャマ」などがあります。都会では、ゆったりとしたシャツ「クルタ」とジーンズやパンツの組み合わせも見られます。また、「カマダニ」や「ゴータ」という金属性の装飾や刺繍がされたものもあります。
パティアラというのは、パンジャーブ地方の村の名前で、昔、そこの王様(マハラジャ)が、長めのだぶだぶのシャツと、ゆったりとしたプリーツのあるズボンを履いていたことに由来します。
パティアラ・サルワール チュリダール
結婚式、婚約式、メヘンディ(花嫁側の結婚前夜祭)といった特別な日には、晴れ衣装があります。「レヘンガ」、「ガララ」、「シャララ」という、膝から裾にかけて広がったフレア・ズボンを着用します。「レヘンガ」は短いブラウスの「チョリ」と組み合わせ、「シャララ」は短いシャツの「クルタ」と組み合わせられることが多いです。
また地方によっては、「ファルシー・パジャマ」という長いフレア・ズボンも着用します。西部地方では、巻きズボンのような「ドーティ」や「ラーチャ」も着用します。
メヘンディ(花嫁側の結婚前夜祭)では、女性は黄色の衣装を着用します。バラート(花婿が花嫁を迎えに行く儀式)やワリマ(披露宴)では、花婿は「クルタ・サルワール」や「クルタ・チュリダール」に、ロングコートの「シェルワニ」と、平らな革靴の「クッサー」を合わせます。バラートでは、花婿は「セフラ」というターバンを被り、花嫁は赤い色、マルーン色、もしくはピンク色の「レヘンガ」に、豪華絢爛な装飾品を施します。
地方独特の衣装
バローチ地方の人々は、たくさんの装飾や刺繍が施された「サルワール・カミーズ」を着用します。鏡でできたミラーワークの装飾もあります。
シンド地方の人々は、「アジュラック」という独特のデザインでできたストールの「ドゥパッター」を着用し、手首にはバングルを付けます。
パンジャーブ地方の人々は、シンプルな「サルワール・カミーズ」や「クルタ」を着用します。また、巻きズボンのような「ラーチャ」を着用したり、「バングル」を付けたり、髪飾りの「パランダ」を付けたりします。
パターン族の人々は、たくさんの刺繍が施された「カミーズ」と「ドゥパッター」を着用し、外出するときは、「ブルカ
」とい全身を覆うマントを羽織ります。
宗教的な着用の仕方
ほとんどの女性は、外出するとき、寺院にいくとき、年上の人に合うときは、「ドゥパッター」や「チャダル」で頭を覆います。より宗教心のある女性は、「ブルカ」や「ヒジャーブ」というマントを羽織り全身を覆います。