カレーの歴史
日本の国民食ともいえるカレーは、英印混血のイギリス海軍士官たちにより日本に紹介された。
彼らは日本人にとって、1853年ペリーの黒船来航以来の西洋人であった。
カレーは、日本人の嗜好に合うように改良され、やがて日本独特のスタイルになった。
1872年、日本の料理本にライスカリーのレシピが登場した。
それは、当時の英国の料理本「ビートン夫人の家政読本 」に掲載されたレシピと類似していた。
ルーを使うのではなく、お肉と野菜を煮出した出汁、小麦粉、林檎のみじん切りを使った。
1877年、ライスカリーは(*カリーは20世紀始めにカレーと発音されるようになった)、
東京にあるレストランのメニューに登場した。
当時のカレーは熟練の技を要するカレーソースとイギリスのカレー粉を使用したため、高級メニューだった。
1931年、「C&Bカレー事件」が発生した。
イギリスのクロス・アンド・ブラックウェル (C&B)社のカレー粉は、品質がよいとされていたが値段が高く、ある商人が国産品の安価なカレー粉をC&B社のカレー粉だと偽装販売した。
この事件は日英間の外交問題にまで発展し、偽造グループが逮捕された。
しかし、これがきっかけでS&B食品のカレー粉が売れ始め、
その後、カレーうどん、カレー南蛮、カレーパンなども登場した。
即席カレーミックスの登場により、日本にカレーが広まった。
1920年、ハウス食品やS&Bが粉末カレーミックスを発売し、
1954年、現在の主流である固形カレーミックスが登場した。
1963年、ハウス食品がバーモントカレーを発売した。
原材料にリンゴと蜂蜜を使用し、従来のカレーよりもまろやかで甘くなった。
子供たちにとってカレーは辛いというイメージを覆し、それ以来、カレーライスは子供たちの好物となり、30年以上学校給食で食べられている。
天皇陛下は地方訪問の際にご当地カレーを食べられるらしい。
また、タモリは自己流カレーレシピをテレビで紹介した。
海上自衛隊の船上では毎週金曜日の夕飯にカレーライスを食べるのが恒例である。
これは大日本帝国海軍の頃からの風習である。
1969年、レトルトカレーが発売された。
1997年、カレーは毛利衛宇宙飛行士によりNASA宇宙食へ取り入れられた。
2009年、イチロー選手が試合前は毎朝必ず奥様の作るカレーを食べるというのがNHKで放送され、日本では朝カレーが流行した。
そして、江崎グリコとハウス食品は温めずに食べられるカレーを発売した。
これは3月11日の震災以降需要が増えた。
また、最近では、日本国内にインド料理店、タイ料理店、南アジア料理店が増えている。
JAPAN TIMES より