パキスタン大統領、原子力発電で日本の協力要請
21日から訪日するパキスタンのザルダリ大統領は19日、首都イスラマバードの大統領府で日本経済新聞など一部の日本メディアと会見した。日パ間の貿易・投資を促進するため、官民合同で問題の解決策を話し合う協議会を設けることに期待を表明。対パキスタン投資の足かせになっている電力不足の改善では、原子力発電の分野で日本の協力を求めた。
日本企業の進出が加速している隣国インドに比べ、日パの経済交流は停滞している。不安定な治安情勢に加え、「パキスタン側の投資・貿易ルールが透明性に欠ける」(日系企業関係者)ことが背景にある。大統領は交流促進策を話し合う枠組み作りを「歓迎する」と述べ、パキスタンを中央アジアや中東向けの輸出拠点として活用するよう日本企業に訴えた。
エネルギー問題では、日本がインドと原子力協力協定の締結協議に入ったことに言及し、「パキスタンを同じように扱えない理由が理解できない」と指摘。菅直人首相との首脳会談で、日パ間の原子力協定の締結を提案する意向を示唆した。