ノーベル平和賞のユヌス氏 九大生らと意見交換 | インド・パキスタン・南アジア 最新ニュース

ノーベル平和賞のユヌス氏 九大生らと意見交換

2006年のノーベル平和賞受賞者でバングラディシュの貧困層向け融資機関「グラミン銀行」総裁のムハマド・ユヌス氏と九州大学生らの意見交換会が 28日、福岡市西区の同大伊都キャンパスであった。ユヌス氏は学生ら約100人を前に「自分が世界を形づくっているという責任を自覚し、努力してほしい」 と呼びかけた。

 ユヌス氏は1974年の大飢饉(ききん)を機に貧困層の女性に対する無担保少額融資「マイクロ・クレジット」を始め、83年に同行を創設。貧困層や女性の生活の改善や経済的自立を促すなどした功績が認められ、同賞を受賞した。

 昨年の第5回北九州市環境賞では、自然環境分野以外では初となる大賞に選ばれた。

 意見交換会は、ユヌス氏が福岡アジア文化賞の20周年記念講演会のため来日したのに合わせ九大が企画。学生らが、経済的利益ではなく社会的利益を追求する同行の取り組みなどについて質問した。

 ユヌス氏は企業の利益追求の是非を問われ、「幸せにはいろんな方向がある。金もうけは、その一つの方向だけを向いたものだ。人々と触れあい、喜び を感じることも幸せのあり方だ」と指摘。貧困撲滅のために日本ができることについては「これまでの制度や組織、ビジネスの概念を見直すことに日本の企業な どがかかわれば、世界に大きなプラスの影響を与える」と述べた。