インド、出稼ぎ労働者の現実
ドバイなど中東諸国に世界最多の550万人の出稼ぎ労働者を送るインド。中でも最南端のケララ州は、4世帯に1世帯の働き手が出稼ぎに行くインド最大の送り出し州だ。同州北部のある村では、5千世帯の半数が家族を中東諸国に出稼ぎに送り出す。出稼ぎは60年代に始まり、当初は小さな帆船で不法入国する例が多かったという。
ドバイの小さな食料雑貨店に勤務する、あるインド人は毎日朝9時から夜9時まで休みなしで働く。月給は1千ディルハム(約2万5千円)。8人家族を支えるため半額を仕送りし、労働者8人が暮らすアパート一間に寝るためだけに戻る。
その一方、ケララ州は教育水準の高さで知られ、識字率は90.86%で国内トップ。ドバイの大手不動産開発会社に勤務し、妻と子供の3人で高級マンションに暮らすエリートインド人も存在する。
朝日新聞より (一部抜粋)