パキスタン・スワート
パキスタンは、4つの州と連邦首都イスラーマーバード、及び連邦直轄地から成る連邦国家です。4つの州のひとつ北西辺境州に属する、スワート郡について紹介します。
地図「2」が北西辺境州です。
英語表記はNWFP(North West Frontier Province)。
現在、この地域はターリバーン
の攻撃により、学校や民家、橋や道路が破壊されています。そして、女性の教育、労働、外出が禁止され、女子生徒は教育を受けることができなくなり、偶像崇拝も禁止され、仏教遺跡も破壊されています。
ターリバーン掃討作戦のために、パキスタン軍は兵士約2万人を配置しました。交戦が行われているため、殆どの町で外出禁止令が発令され、学校や商店は閉鎖されています。裕福な家庭は、カラチやラホールなど他の州へ避難できますが、そうでない人たち、また、自分たちの土地や財産を守ろうとする人たちは、スワートに居続けないといけません。
私の、スワート出身の知り合いが故郷に電話をするたび、遠く離れた家族のことを心配し、日に日に悪化していく治安について悲しそうに語ります。奥さんや子供たちはカラチに避難しているそうですが、年老いたご両親は故郷に残っているそうです。電話をしている最中にも爆破音や銃撃音が聞こえます。そして、数年前まではとても平和な町だったと思い出話をします。
もともと、スワートは「アジアのスイス」と呼ばれる、平和で美しい風景が広がる観光地です。山や川など自然に囲まれ、有名なスキー場「Malam Jabba 」があり、古代ガンダーラ遺跡や仏教遺跡があります。
スワートの治安が早く良くなり、再び平和が訪れ、観光地として復活することを願っています。

