プライスレス
テロ組織、ターリバーン・・・
髭面で目つきが悪い・・・
多分、日本人の一般的なパキスタン人に対するイメージとはこのようなものでは?
初めて私がパキスタンに行った時、日本の友人に手紙を出そうと郵便局を探していた
もちろん初めて来たパキスタン、黄色い表紙の某旅行本を片手に探しても簡単に見つからない
仕方なくさっきからジロジロこっちを見ていた暇そうな口ひげのおじさんに
「郵便局はどこですか?」
と習い始めのウルドゥー語で聞いてみた
・・・
一瞬この口ひげのおじさんは変な格好をした黄色い肌の人間がウルドゥー語を喋った事にビックリした表情をしたものの、
その後は間髪入れずウルドゥー語でなにやらまくし立てる
・・・
もちろんこの当時の私にはこのおじさんが何を言っているのかは理解する事が出来ず、
なんとかつたない英語で
「ウルドゥー語は少ししか分からない」
「郵便局に行きたい」 と説明
なんとかおじさんに事情が伝わるとおもむろにおじさんが
私の手を握った
・・・
「ついてこい」
春だというのに気温は30℃を超えるパキスタンで、
髭面のおじさんの乾燥でガサガサになった手でひ弱な私の手はガッツリ握りしめられ
手を引かれ引かれ歩く事となった
「子供扱いされているのか?」
「もしかしてそういう趣味のある人なのか?」
「本当に郵便局に向かっているのだろうか?」
脳裏には様々な不安や疑問がよぎる
しかし、数百メートル歩き大通りに出ると
GPO (General Post Office)
そう、郵便局の看板が目の前に見えた
手を引かれ引かれ
郵便局の中に入る
出したかった手紙はおじさんにひったくられ
おじさんがカウンターで色々と手続きをしてくれている
「どうやら悪い人ではなさそう」
心のなかでつぶやきながら、おじさんを見守る
一通り手続きは済み、無事手紙は受理される
やはり悪い人ではなさそうだ
郵便局から外に出ると、おじさんは
「ちゃえ、ちゃえ」
と言っている?
身振り手振りから
「お茶でも飲もう」
と言っている
せっかくここまでしてもらったのだからお茶でもご馳走しようと思い、
またまた手をつなぎながらバザールの中に入っていく
平日の真っ昼間にもかかわらず、沢山のおじさんで賑わうチャーエ・ハーナーに入る
おじさんの注文によって出てきたミルク・ティーは30℃の気温だというのに、
煮えたぎるような熱々、これ以上溶けないほど入れられた砂糖、濃厚な水牛のミルク
これが本当の
「チャーエー」
どうだ、うまいだろ?
と少し得意げな顔をしながら髭面のおじさんはこのチャーエーを啜っている
そして今後パキスタンで何度も何度も受ける事となる質問
「兄弟は何人だ?」
「お父さんはなにしてる?」
「日本語と中国語は違うのか?」
「広島・長崎に未だ草も生えないのか?」
「日本に行くビザはとれるのか?」
等々
と一通りのインタビュー
一時間ほどこのやりとりをしてそろそろ帰ろうと促す
「お茶代を払う」
と言っているのに、
「ゲスト、ゲスト」
と言われお金を払わせてもらう事も出来ず店を出る事に
おじさんともここでお別れとなった
しかし、なんとおじさんは
「うちに来て晩ご飯を食べて行け」
と言っている
さすがにそこまでご馳走になるわけにも行かないので、丁重にお断りし、
いつまで別れ惜しそうな髭面のおじさんに
「シュクリア」(ありがとう)
「クダ・ハフィズ」(さようなら)
を告げその場で別れたのだった
一見怖そうに見えるパキスタンの男の人たちだが、
いざ話をしてみるととても人なつっこく日本人に対する好奇心が旺盛で、
また外国人に対するホスピタリティーの心を持っている事がわかった出来事だった
*観光地などの外国人に慣れた場所では色々騙す事を目的として言い寄ってくる人がいるので注意してください
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