NHKマイルC(GI、東京、芝1600m)

■ウンブライル 助手騎乗、美浦ウッド併せ馬。前走時にある程度仕上がっており、この中間は状態維持に専念するような調整。最終追いも終い重点で無理をさせず、操縦性の確認に主眼を置いた内容となった。直線で2頭に挟まれてもテンションを上げず、素軽さを保ってそれぞれと併入。そこまでの鋭さはなかったものの、これで十分だろう。高いレベルで安定。【7】

■エエヤン 助手騎乗、美浦ウッド単走。高いモチベーションを感じさせるように活気十分に行きだし、直線では馬場の真ん中をブレの少ないフォームで四肢を柔軟に使って切れた。単走とは思えない気迫にも好感。勝ってさらに上昇か。いい状態にある。【7】

■オオバンブルマイ 武豊騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。目標の3歳未勝利を坂の途中であっさり抜き去り、4馬身の先着。抜け出してややフワッとしたが許容範囲だろう。前走時ほどの迫力はないものの、順調と言える。【6】

■オールパルフェ 大野騎手騎乗、美浦ウッド単走。終い重点で序盤はリズム重視。折り合いよく進み脚はしっかり溜まっていたようだが、直線半ばで促されても手応えほどの伸びはなかった。中間の攻めは順調で体調は安定していそう。しかし気持ちの面でブレがあるのかも。万全とまでは言い難い。【6】

■カルロヴェローチェ 酒井騎手騎乗、栗東CW併せ馬。日本ダービーに向けて調整されている僚馬ショウナンバシットをリードホースにして追走。直線半ばまで相手の後ろで我慢させ、ゴーサインが出ると一気に突き抜けた。抜け出したあともフワりとさせないよう負荷を掛けたあたり、体調面になんら不安のない証と言える。登録していたアーリントンCを見送る経緯はあったが、その影響は感じさせず、絶好の仕上がり。【8】

■クルゼイロドスル 助手騎乗、栗東坂路単走。先週M.デムーロ騎手を背にCW併せ馬で速い時計を出したのが実質の最終追い。今週は坂路単走で息を整える程度の内容だった。力みはなく軽快な脚捌きで進み、ラストは余力を十分に保って長くいい脚を使った。4カ月ぶりでも持てる力はしっかり出せそう。【6】

■サトノヴィレ 北村宏騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。若干口向きの悪さはあるものの、直線では優勢の手応えを保って併入とした。中間は乗り込み入念で体調は良さそう。順調だ。【6】※抽選除外

■シャンパンカラー 内田騎手騎乗、美浦坂路単走。先週のウッド追いでかなり力んで負荷の強い内容になったことを踏まえ、今週は静に徹する調整。どうしても行きたがり、操縦性に難しさを感じさせた。体調そのものは悪くなさそうだが、折り合いの面で不安を残す。【5】

■ショーモン 鮫島駿騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。目一杯に追われる3歳未勝利を弄ぶかのように手応えで圧倒。ラストは軽く促されただけでスッと切れ、楽々併入としている。高いレベルで安定。【7】

■シングザットソング 吉田隼騎手騎乗、栗東坂路単走。荒れた馬場に脚を取られたか加速するとややバランスを崩す場面はあったものの、気持ちはしっかり維持して伸びることができていた。華奢な馬で大幅上積みはなさそうだが、デキ落ちはなく安定。【6】

■セッション 団野騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。古馬1勝クラスに取り付いて併走。ラストは手応えで圧倒し、仕掛けに鋭く反応して2馬身の先着を果たした。まとまった休みを取らず走っているが、影響は感じられない。高いレベルで安定。【7】

■ダノンタッチダウン 助手騎乗、栗東坂路単走。序盤はやや散漫だったが、手前をスムーズに変換してからの伸びは上々だった。超大型馬が4カ月ぶりの前走を使われ、着実に上昇。【6】

■タマモブラックタイ 助手騎乗、栗東CW単走。序盤から前進気勢の強いこの馬らしい行きっぷりを示し、ラストはさすがに勢い鈍ったがお釣りを残して力強い伸びを示した。マイル対応を意識してかこの中間はCW中心の乗り込みに切り替えたのがどう出るかだが、気配そのものは悪くない。【6】

■ドルチェモア  三浦騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。古馬オープン・リレーションシップに取り付いて併走。ジワッと加速し相手をアオり、ゴール直前でもう1枚ギアを上げアタマほど抜け出して先着を果たした。脚捌きは軽快で、精神面でもかなりいい状況のよう。前走からの上積みは大きい。【7】

■トーホウガレオン 岩田望騎手騎乗、栗東坂路単走。中2週の東京遠征となるため、流す程度の内容。序盤にやや力みがあり、ラストも促しへの反応にいささか鈍さを感じさせた。稽古駆けしないタイプではあるが、攻め気配からは強調しづらい。【5】※抽選除外

■ナヴォーナ 助手騎乗、栗東CW併せ馬。終い重点の3頭併せ。相手2頭が走らなかった感はあるものの、この馬自身気持ちを乗せて力強く伸び、最先着を果たしている。攻めが物足りなかった前走よりいい状態で走れそう。【6】

■フロムダスク 助手騎乗、栗東坂路単走。先週坂路4F49秒台の猛時計を出しており、これが実質の最終追い。今週は終い重点の内容となり、序盤から集中して登坂。手前の変換で一瞬モタつくも、ラストは圧巻の加速を示した。海外遠征帰りを感じさせない好気配。【7】

■ミシシッピテソーロ 柴田大騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。先週速い全体時計を出したのが実質の最終追い。今週は折り合いに専念し、ラストは3歳未勝利を2頭を問題にせず最先着としている。華奢な馬で中間の攻めはどうしても手緩く、大幅上積みはどうかも、この馬なりに安定。【6】

■モリアーナ 武藤騎手騎乗、美浦ウッド単走。軽快で柔軟なフットワークで進んでいき、スムーズに手前を替えてからの伸びも上々。単走とは思えないほどに気合いも乗っていた。前走からの上積みはかなりありそう。【7】

■ユリーシャ 助手騎乗、栗東坂路単走。輸送を考慮してか、全体的にセーブ気味の内容。ラスト1Fだけ促す感じで、ゴーサインにはスムーズに反応し切れた。前走大敗のダメージは少なからずありそうだが、極端なデキ落ちまではないか。【6】

<追い切り評価>は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価(10が最高、1が最低)です。
(Text:Nishimura)