文字色:雲水先生武井さん両角さん

 

 

 

環は職場の同僚に彼女(恵)の新連載が決まったことを言いふらします。恵の写真を見せ、結婚する予定だと話しました。「フラれないように気をつけな」と言ってきた同僚に対し、こう返します。

 

 

「・・・大丈夫だよ・・・

 

アイツは俺がいないと生きていけない人間だから」

 

 

 

すみません、どなたかバリカン持ってる人いたら貸して下さい。あのナルシスト野郎の髪を刈る!!今すぐに!!!

 

初っ端からもう腹立つ。逆を言えば環の方が恵に依存してるよね。

執着心の強すぎる男はキモい。

 

なーにが前回の話で“恵のことは見下してないけど”だよ!

俺がいないとダメな女だって思ってるじゃん。

 

 

恵、お願いだから別れてくれ!アイツの鳥籠から逃げろ!

というか漫画のジャケットでも恵と環が一緒に描かれてるやつ、抱き締めてるんじゃなくて捕らえてるよね、あれ。

9話の会話もそうだけど、恵を自分の思い通りにしたいという欲が丸見えだし、恋人でも他者なんだから価値観が合わなくて当然だし言い争いがあっても何もおかしくない。

仲良さそうに見える人たちは利害が一致してるか片方が妥協して合わせてるだけなんだよ。

むしろ、他者だから喧嘩するんじゃん。相手をコントロールしようとする環の強欲さに心底腹が立つ。

 

 

結婚する予定とか言ったとき「はっ?」てなりましたよ。そんな会話、あなた恵さんとしていましたっけ?

あと、写真勝手に同僚に見せてるのもムカつく。

 

 

とりあえずナルシスト野郎のターンはここまでです。

 

 

 

 

 

 

その頃、恵は雲水先生と共に『メメント・ネクスト賞』について武井さんと両角さんから話を聞かされていました。

 

 

 

「そうです!秋に新しくウェブメインの漫画賞を作るんですけどっ

 

そこに我聞さんの新作読み切りを出しませんか!?

 

 

しかも今回は“特別審査員”としてー

 

雲水先生にも作品の選考をしてもらいます!」

 

 

 

「というわけで引き受けてくれるかな

源田クン!」

 

「あぁ ハイ

僕なんかでよければ」

 

「ちょ・・・っ

待ってください・・・

 

・・・それって私が描く漫画を・・・

雲水先生が批評するってことですか・・・?」

 

 

「もちろん俺含め編集部全体で選考するし

 

キミの実力を知ってるからこそ

特別扱いせずにしっかり見ますよ

 

今のキミがこの賞に相応しい作家なのか

あの日の“我聞恵”を超えられるのかどうかをね」

 

 

(あの日の私を  

超える・・・・・・?)

 

 

「大丈夫ですよ 我聞さんっ!

僕も編集人生の全てを賭けてサポートしますっ

二人で誰もが驚く漫画を作って

もう一度“大賞”を獲りましょう!」

 

 

(そうか この賞で その結果で

今後どうなるかが 決まるんだ

 

ーあれ?

漫画ってこんなに重たいもの

だったっけ)

 

 

まだ打ち合わせの途中でしたが、恵の焦りを感じ取り雲水先生が声を掛けました。

 

 

「我聞さんもう行きましょうか」

 

「・・・うっ

雲水先生 まだネタの打ち合わせ・・・」

 

「こんな急にプレッシャーかけられたら

頭まっ白で打ち合わせになりませんよ

 

武井くん

焦る気持ちはわかりますが

作家のペースも考えてください

 

両角さん

特別扱いしないなら

過度な圧力も

やめてください

 

 

とりあえず賞の話はわかりましたので

今日はもう失礼しますね」

 

 

駐車場に付いたところで恵は雲水先生に話しかけました。

 

「雲水先生っ!

・・・あのっ さっきは・・・」

 

「我聞さん

今日この後 時間大丈夫ですか?」

 

「えっ あ・・・はい!」

 

「よかった!

 

ドライブがてら

おいしい物でも食べにいきませんか?」

 

 

「・・・ま・・・・・・

 

・・・まさか鎌倉まで来るなんて」

 

 

「ここ僕の行きつけの店なんです」

 

「なんでこんな遠いお店にわざわざ・・・」

 

「小旅行みたいで楽しいじゃないですか!

 

そのほうが仕事を忘れてリフレッシュできますし

 

さっ 熱いうちに食べましょう」

 

「はい!」

 

雲水先生と笑い合ってる恵の姿は心から楽しそうでした。

 

「ごちそうさまでしたっ・・・!

おいしすぎて食べすぎちゃいました・・・」

 

「じゃあ海まで

ちょっと散歩しますか?」

 

「海っ!?

やったー♪」

 

(雲水先生と歩きながら

本当に他愛のない話をした

 

天気がよくて気持ちがいいですねとか

紫陽花がキレイですねとか

 

好きな動物の話

想い出の旅行場所

よく聞いたラジオ番組

 

ただ会話してるだけで

自然と心が軽くなっていった)

 

 

クラフトビールの店で、みんなへのお土産を買おうとした恵は店の前のイスに座っていた男性からビールを一口勧められますが、雲水先生に止められ「過保護な父親だな」と親子だと勘違いされます。否定すれば更に「パパ活ってやつか」と聞いてきました。店の中から出てきた店員に「田中さんお客さまに何言ってるですかーっ!」と注意され、男性は持ってたコップを落としてしまい、自分も悪いと思ったのか雲水先生に謝りました。

「要するに年の差婚だったのか・・・」とまた勝手に勘違いします。雲水先生は「それも違います」とキッパリ返します。

 

 

 

 

「・・・彼女は家族でも恋人でもないですが

僕の大切な人です」

 

 

 

買い物を済ませ、帰ろうとしたとき恵が雲水先生に声を掛けました。

 

「・・・あの 雲水先生っ!

さっきの店で手を庇ってくれた時・・・

私・・・

先生と初めて会った日のことを

思い出してたんです・・・

 

 

あの後スタジオに行って・・・

アシスタントして・・・

ドラマ見学に・・・

新しい担当さん・・・

まだ1ヵ月も経ってないのに

どんどん世界が広がって

まるで魔法みたいに

目の前がキラキラ光りはじめて

 

だから雲水先生がさっき言ってくれた 

“大切な人”っていうのは

本当は私が伝えたかった言葉なんです

 

 

・・・先生?」

 

「・・・すみません

そんな風に言ってもらえると

思ってなかったので・・・」

 

そう言った雲水先生は照れた表情をしていました。

 

 

(雲水先生もこんな顔するんだ

 

なんだろう

・・・私もっと

雲水先生のいろんな顔を見てみたい

 

もし

今の私が新しい漫画を描いたら

それを読んだ雲水先生はどんな顔をするのかな)

 

 

 

恵のナルシスト彼氏以外は素敵な回でした(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)

 

雲水先生がとにかく紳士!

 

恵の心を無理矢理こじ開けるのではなく、ゆっくり解きほぐす人なんですよね。

自分のペースに引き込もうとする環と違って、恵のペースを優先してくれる空気が読める男。

 

「家族でも恋人でもないですが、僕の大切な人です」

 

雲水先生素敵すぎる・・・

 

 

雲水先生と一緒にいる恵も本当に心から楽しそうで読んでて心地良かったです。やったー♪の部分、吹き出しのセリフじゃないんですよ。

 

本当はあんなナルシ彼氏なんていなくても恵は自分の力で飛べる翼があるはずなんです。でもまだ不安定さも見えるから、雲水先生と小室さんの存在が今後の恵の行動にどう繋がるのか気になるところです。

 

 

雲水先生、声がつくならやっぱり堀秀行さんが良い。

妄想するのはタダなので。

賢雄さんとかも合いそうだけど、あの人は出演作が多すぎて新鮮味がない。

考えてみれば、芸歴だけが長い知名度低い声優さんってかなりいるんですよね・・・

 

若手が入ってくると出演作が増えないまま知名度低いベテランになる。辛いな、あの業界。

 

良いものは残して変えていけることは変えていってほしいですね。