白紙の上でさようなら 8話『いただきます』

 

 

「ー私はまだ親のこと・・・

割り切って考えられなくて・・・・・・

 

 

どうしたら小室さんみたいに・・・

過去を乗り越えられるのかなって・・・」

 

 

小室さんは腕を組みながらうーんと考え込みました。

 

「ー・・・・・・

いやあの・・・

スッゲー必死に考えたんですけど・・・

 

 

アタシ的に乗り越えたって感覚が全然ないんスよ・・・

昔のことがフラッシュバックして

寝れなかったり・・・

夢を応援してもらえてる子とか見て嫉妬したり・・・

・・・今でも全然ヘコんだりすることばっかっスよ。

 

ーでも

ここのみんなはそんかアタシをフツーに笑って

受け入れてくれました。

 

・・・それで思うようになったんです。

 

 

 

 

 

親に愛されるか愛されないかが世界の全てじゃないって

 

 

 

アタシがアタシを好きでいることを

認めてくれる人は ちゃんといるから

居場所は自分で作っていいんだって

 

 

だからメグミン先生も少しずつでいいんで

自分のこと好きになってほしいです。

 

 

そしたらいつか“辛い”より“楽しい”が勝つ日がきます。

 

 

とりあえずアタシと雲水先生はメグミン先生のこと

スッゴイ大好きなんで安心してください!

 

 

 

残りの二人には好かれなくて大丈夫です。

いっつもおやじギャグばっか言ってウゼーんでw」

 

 

 

「・・・ふふっ

・・・本当にありがとう・・・

 

私も小室さんが大好きだよ」

 

 

2人のいる部屋の鍵が開いてることを指摘しようとした雲水先生は恵が小室さんと楽しそうに笑い合う姿に安心した表情をし、メモを残しその場を去りました。

小室さんは下に降りようとしたとき雲水先生のメモに気づき、目を輝かせながら「今日の夕飯“カレー”ですよ!」と恵に伝えます。

雲水先生は豚バラと新じゃがのスープカレーを作っていました。

 

 

「・・・我聞さんも一緒にカレー食べますか・・・?」

 

「・・・はっ、はいっ!」

 

 

雲水先生の作ったカレーを食べた恵は「コレ店の味ですよね」と驚きました。小室さん曰く雲水カレーとのこと。

 

 

「・・・僕はネームを描く時に

まず鍋一杯のカレーを作るんですよ。

 

 

それを三日三晩食べながら描き上げるんですけど・・・

 

気づいたらカレー作りが趣味に・・・」

 

 

「ウチラはその試食係なんです♡」

 

「う・・・うらやましい・・・」

 

「メグミン先生もここに住んだら食べ放題っスよ!」

 

「我聞さんも2階に来るんですか?」

 

「・・・小室くんそれは我聞さんが決めることで・・・」

 

「あ〜・・・また感情のままに暴走して・・・」

 

「・・・だ、だって!

・・・アタシ漫画の話とか女の子とするの・・・

メグミン先生が初めてだから嬉しくて・・・・・・」

 

 

みんなに呆れられながらも小室さんは恵に対する気持ちを吐露しました。

 

「私も・・・

こんなに素で話せたの小室さんが初めてで・・・

 

もっと漫画のこと教えてほしいな・・・って思ってて

 

でも今は彼と・・・住んでるから・・・

 

ここに・・・引っ越すとかは・・・できなくて」

 

 

「・・・じゃあアシスタント期間だけ泊まったらどうですか?」

 

 

雲水先生の提案に恵と小室さんは同時に声を上げました。

 

 

「ずっと一部屋空いてるのもアレですし

ここが新しい刺激の場になるんでしたら」

 

 

小室さんはお皿を持ったまま恵に抱きついてきました。

 

 

 

(どうしよう 私たぶん はしゃぎ過ぎてる

 

でも こんなに笑ったの すごくひさしぶり)

 

 

自宅に戻った恵は環に担当さんがついてくれることを伝えました。「やっぱ俺の言った通りに動いて問題なかったでしょ・・・?」と言う環の言葉に戸惑いながらも恵は頷きます。アシスタント期間中、泊まりに行きたいことを相談しますが環は反対します。

 

 

 

 

「ここを出ていきたいってこと?

 

 

・・・恵の夢は応援したいと思ってる・・・

 

 

だからこそ反対だな  

そんな無駄なこと」

 

 

はっ?

 

無駄だと?

 

コイツはやっぱり、ろくな男じゃないって私の勘が叫んでる。

人間そう簡単に変われない。考えは変えることはできても性格までは難しいです。

 

 

せっかく8話は温かい気持ちで終われるかと思ったら・・・

 

環マジでムカつく。その綺麗な名前が勿体ない。

 

 

雲水先生や小室さんや漫画関係の人たち、厳しい人もいるけど皆好きですラブラブ

漫画への想いが真剣だからこそ厳しい言い方になるのは仕方ないと思います。

 

 

 

ただし、環。てめぇはダメだ!!!

 

 

 

 

 

別れてほしいけど簡単にそうはいかないでしょうね汗