今回の果物品種ランキングは数え切れないほど品種がある、カンキツ類です。

 

 

*ちなみに私は酸味が弱く、プリプリした食感をもつ品種が好みなので、そういう品種がランキング上位にきています。

*あくまでも個人的なランキングです。低評価の品種はたまたま購入した果実が「はずれ」だった可能性もあります。

 

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1位

「紅まどんな」

  • 非常に甘く濃厚
  • とても多汁で果肉が柔らかく、プリプリブリブリした食感
  • じょうのう (薄皮) が薄く、口の中に残らない 

「紅まどんな」を食べる直前に「甘平」を食べていてその食感に驚いていましたが、「紅まどんな」も負けず劣らず、クセになるプリプリ食感でした。「甘平」とは僅差ですが、味、食感、果汁量のバランスがより洗練されているように感じたため、1位にしました。消費者目線ではこれといった欠点を見つけられない良い品種です。

 

2位

「甘平」

  • 房いっぱいにさじょう (果肉) がパンパンに詰まっており、コリコリプリプリした食感が癖になる
  • じょうのうが薄く、気にならない
  • 酸味が全くなく、濃厚な甘味が際立っている

 剥こうと爪をたてた瞬間から只者ではないと感じていましたが、食べてみるとその食感に大いに驚かされました。このコリコリプリプリと張りのある食感は格別です。

 

3位

「ゆめほっぺ」

  • 酸味がなくて非常に強い甘味を感じられる
  • 濃厚な味だが癖が弱いのでいくらでも食べられる
  • ミカンに似た食感で、プリプリ感は弱いが多汁で瑞々しい
  • 果皮は厚いが浮き皮なので手で剥きやすい

 この品種は味の良さで3位にランクインしました。まさにミカンの親玉、究極のミカン、味の良さはミカンの頂点かも知れません。

 

4位

「ゴールデンナゲット」

  • 手で簡単に剥ける
  • 酸味の無い濃厚な甘さが特徴で、風味は温州ミカンとオレンジの中間
  • 「天草」に似たスパイシーな香りが適度にある
  • 食感は温州ミカンそっくりで、やや水分が少ないが許容範囲内

ここで輸入柑橘がランクインしました。ミカンより簡単に剥け、風味の強さも上回っています。果物のレベルが高い日本でも十分やっていける品種です。

 

5位

「Wマーコット」

  • 酸味が少なく、風味が良い上に強い
  • 種子が入っておらず、とても剥きやすいのでとても食べやすい
  • とても密にじょうのうに果肉が詰まっていて弾力が強い
  • 果実のよって当たり外れが大きいのが残念

こちらも「ゴールデンナゲット」と同じく、輸入柑橘ですが 、風味の強さと歯応えのある食感で上位にランクインしています、「ゴールデンナゲット」と同じく、浮皮性で剥きやすいのも長所です。

 

6位

「ポンカン」

  • コクが強くて濃厚な風味が素晴らしく、他の品種には代えがたい特徴
  • 酸味が弱く、甘さが際立っている
  • ブリブリしていて噛み応えがあり、噛むほどに香りを強く感じられる
  • 種子が入って食べにくいのは残念

個人的には温州ミカンより「ポンカン」の濃厚な風味が好きなので上位にランクインしています。食べ始めたら止まらない味です。

 

7位

「はるか」

  • プリプリした食感が癖になる
  • 「日向夏」にも共通の、独特な優しい芳香がある
  • 酸味が全くなく、とても甘いとは言えないが爽やかな甘さを際立てており、いくらでも食べられる
  • じょうのうがやや厚いのは残念

「はるか」より上位にランクインした品種はオレンジやミカンの血を感じますが、「はるか」は文旦や橙、特に「日向夏」に近いものを感じます。穏やかで優しい香りとプリプリした食感、爽やかな甘さがあり、ミカン類にはない良さが前面に出ています。「はるか」の目印、お尻のリングを見かけたらぜひ買ってみてください。

 

8位

「オレンジ タンゴ種」

  • わずかに浮き皮なので剥きやすく、果皮と果肉の離れもよい
  • 甘味が強くて深みのある味わい
  • オレンジよりは「ポンカン」に近い味と食感で、「ポンカン」より甘味が強くなって酸味と香りが弱くなった感じ

 

9位

「小原紅ミカン」

  • スギやヒノキに似た香りが皮を剥くと感じる
  • 甘味がとても強く、酸味もわずかにあるので濃い味わい
  • 果汁が豊富で、じょうのうが薄い点もGood

 

10位

「はるみ」

  • じょうのうが破れやすいほどに薄く、食べても全く気にならない
  • 多汁で瑞々しく、歯ごたえはあるがゼリーというよりジュースのような食感
  • 甘味は強いが適度な酸味があるので後味はくどくない

 

11位

「ピンクネーブル (カラカラ種)」

  • 果肉はピンクがかった橙色
  • オレンジらしい風味が強い
  • 果汁が多く、ジャクジャクした食感
  • 非常に甘いが適度な酸味でさっぱりした味わい

 

12位

「天香」

  • ミカンのような、とても良い風味が強い
  • 浮き皮でとても剥きやすく、じょうのうは薄くて気にならない
  • 酸味はほとんど無くて、冷やすと特に甘さ際立つ
  • 一言で表すと、とても美味しい温州ミカン

 

 

以下、いま一つ物足りないーーーーーーーーーー

 

「ルビーブラッドオレンジ」

  • 果肉は濃橙色で、果皮近くが血色
  • 酸味もあるが、それを上回る甘味があって濃厚

 

「ミホコール」

  • 温州ミカンと「天草」の香りを1:1で混ぜたような香り
  • 完熟した果実はとにかく甘味が強烈
  • 食感はミカンっぽくて、「甘平」のようなプリプリ感はない

 

「黄清見」

  • 風味は温州ミカン:オレンジ:八朔およびブンタン=2:2:1な感じ
  • 果汁が滴り、手がベトベトするぐらい
  • コクがあって甘く、「清見」よりはるかに良い

 

「かんきつ中間母本6号」

  • オレンジみたいにくし形に切っても果汁が垂れてこないのは大きな長所
  • 「甘平」ほどではないがプリプリ感が少しある
  • 酸味はなく、甘味は中程度

 

「大将季」

  • 甘味は十分で「デコポン」より酸味がないので穏やかな味
  • じょうのうは薄くて食べても気にならない
  • 風味にパンチがないのが残念

 

「春峰」

  • フルーティー&ミルキーでブドウっぽさを少し感じる、独特な甘い香りがある
  • 多汁で柔らかな食感
  • 酸味はなく、甘味が前面に出ている

 

「アンコール」

  • 風味がエキゾチックで、「天草」に似る
  • 酸味は適度に弱く、味濃く感じる
  • 果肉がじょうのういっぱいに詰まっていてプリプリ食感

 

「南津海」

  • 非常に濃厚な甘味で、温州ミカンよりはるかに甘い
  • 香りはミカン寄り
  • そこそこ多汁で、歯ごたえあるが硬くはない

 

「サマーフレッシュ」

  • 「文旦」や「夏みかん」よりプリプリしており、ジューシーで食感はこの上なく良好
  • 酸味は「文旦」並みに穏やかで、苦味はない
  • 甘味は「甘夏」「八朔」よりわずかに甘い程度なのが残念

 

「ネーブルオレンジ」

  • 濃厚な甘さだが後味は爽やかで、食べ飽きない
  • 多汁で、包丁を入れると果汁があふれ出る

 

「タンカン」

  • 甘味はあるが濃厚とは言えず、酸味もやや気になる強さ
  • じょうのうはやや厚くて口の中で気になる
  • 浮き皮性が全くないので包丁でくし形に切って食べるしかない

 

「カクテルフルーツ」

  • 口に入れた瞬間の風味は「グレープフルーツ」
  • 酸味はほぼ0、苦味はごくわずかで良いアクセント
  • 甘味は強いとも弱いとも言えない
  • 食感は柔らかい「グレープフルーツ」といった感じ

 

「西南のひかり」

  • 一つ一つの房が大きくて食べ応えがある
  • 食感はミカンに近くゼリー感やプリプリ感はない
  • 酸味がないのは評価できるが、濃厚さや甘ったるい香りの強さなど、味の面ではミカンに劣る

 

「黄金柑」

  • 酸味は全くなく、甘味は強いとは言えない
  • 「春峰」のようなブドウっぽい、ミルキーな風味がわずかにある
  • ややスが入っている感じで、みずみずしさは総じて少なめ

 

「津之香」

  • じょうのうが薄く、房をばらそうとするとすぐ破れるぐらい
  • 酸味は弱いが甘味も香りも強くなく、やや淡白

 

「あかたま」(キンカン)

  • 大きめの種子が複数入っているので可食部が少ない
  • 果皮はキンカンらしい香りが強く、ハリがあってパリパリした食感
  • 果肉は甘味強く、苦味も強くはない

 

「さつき八朔」

  • 甘さは十分感じられ、わずかな酸味と苦みが良いアクセントになっている
  • 多汁で、噛むごとに濃厚な果汁があふれ出る
  • 砂じょうは弾力とハリがあって食感良い
  • 味は穏やかだが、飽きにくい

 

「天草」

  • 強烈なスパイシーな香り (やや薬品っぽい?) があり、香りに甘さを感じない
  • 非常に多汁でブリブリした食感
  • じょうのうは薄くて全く気にならない
  • 欠点を挙げるなら、甘さに濃厚さが欲しい

 

「カラマンダリン」

  • やや酸味が強いので甘味が隠されがち
  • 果皮は温州ミカン並みに手で剥きやすい
  • 食感は温州ミカンと同じだが酸味の強さと甘い香りがないことから区別できる
  • 果実によって別品種かと思うほど形質がばらつく

 

「はれひめ」

  • 甘さは濃厚すぎずに爽やかで、酸味はほとんど無い
  • 果肉は密に詰まっていないが、果汁は多い方

 

「清見」

  • じょうのうにアルベド (白ワタ) がしっかりついているので手で剥けない
  • 酸味もややあり、甘味もやや弱い
  • 温州ミカンとオレンジの中間ぽい食感と風味

 

「たまたま」(キンカン)

  • 果皮は薄く、苦味はない
  • 果皮はとても甘く、噛むと香りが広がって良好
  • 一方で果肉はやや酸っぱくて所々苦い

 

「麗紅」

  • じょうのうが厚くて気になる
  • 酸味が少なくて甘味がやや目立つ
  • 房数が多く、じょうのう同士が強く密着しているので食べにくい

 

「鳴門オレンジ」

  • 酸味強いが「夏みかん」以下で、疲れているときにちょうど良い程度の強さ
  • 甘味もそこそこある一方で苦味はなく、全体としては甘酸っぱい
  • 果肉は柔らかく、弾力を感じない
  • 切ると果汁が垂れやすい

 

「スイートスプリング」

  • 果皮を剥くと香りが強く立ち、ミカンやオレンジというよりは雑柑の香り
  • アルベド (白ワタ) が厚く、房はばらけにくいので食べにくい
  • 食感はプリプリしてとても多汁
  • 風味は「八朔」で、酸味が弱くて食べやすい

 

「日向夏」

  • じょうのうは厚いがやや甘味を感じられて食べられる
  • 一口目に「シークワサー」の苦味に通じる風味あり
  • 確かに甘いが、強くはない
  • 果肉は柔らかいゼリー状で、多汁なので食感は良い

 

 

以下、もう買うことはないかな…-------

 

「ジャクソンフルーツ」

  • 日持ちの良さとじょうのうの薄さは評価できる
  • 風味は「グレープフルーツ」だが、酸味はなくて爽やかな味わい

 

「デコポン」

  • 甘味はあるが酸味もそこそこあり、果実によってどちらが目立つか変わる
  • じょうのうはやや薄めで、剥きやすい

 

「日南の姫」

  • じょうのうと果皮は剥がれやすいので、容易に剥ける
  • じょうのうは小さく、数が多い
  • 酸味がややあって、濃厚な甘さやミカンの香りは弱い

 

「はるみ」

  • やや独特な青臭い香りが気になる
  • そこそこ多汁で、プリプリした食感
  • 酸味もそこそこ感じる

 

「宇和ゴールド」

  • 一口目に甘さを感じ、噛み進めるとやや苦味が尾を引く
  • じょうのうは薄く、種子はない
  • 多汁だがプリプリ感はない

 

「津之輝」

  • 房数が多い上に、各房に種子がほとんどの確率で入っており、アルベドはしっかりしているので剥きにくく、食べにくい
  • 甘さはあるが、一房の果肉が少ないのであっという間に消える
  • じょうのうはやや厚く、硬くて口に残る
  • 香りの質は爽やかで良質

 

「セミノール」

  • 食べにくく感じるほどに多汁で、果汁の多さは他品種より群を抜いている
  • 甘さは感じるが薄い
  • 独特なやや臭い香りがある
  • 酸味がそこそこあるのは残念

 

「甘夏」

  • 多汁で瑞々しく、果肉はブ二ブニと噛み応えがある
  • 酸味はマイルドで甘味も濃厚だが、苦味が気になる

 

「ミネオラオレンジ」

  • 果実によって酸味の強さにバラツキがある
  • 濃厚で甘さもそこそこ、香りもそこそこな強さ

 

「はまさき」

  • 風味が弱くて爽やかすぎ
  • じょうのうがやや口に残る

 

「みはや」

  • スが入りやすい
  • 浮き皮性が無く、果皮もやや厚いので包丁必要
  • 独特なコクがある味わい
  • これと言って他のミカン類と区別できる長所がない

 

「三宝柑」

  • やや酸味が強く、甘味は強いとも弱いとも言えない
  • 果実サイズのわりにアルベドが多くて、可食部が少ない
  • 香りは弱い

 

「サンフルーツ」

  • 果皮から漂う香りは強い
  • 苦味はなく、あっさりした味わい

 

「クガニー」

  • 浮き皮で剥きやすい
  • 「シークワサー」独特な香りがあるが、マイルド
  • 酸味はないが甘味が弱くて物足りない
  • 果汁は少なめで、じょうのうがかなり口に残る
  • 種子がかなり入るので、果汁を吸ってじょうのうを吐き出す感じで食べる

 

「サンセットクイーン」

  • 味や香りは温州ミカンとオレンジの中間だが薄い
  • わずかに「シークワサー」の風味を感じる
  • 水分は多め
  • 種子が多く、必ずじょうのうに1つは入る

 

「土佐小夏」

  • 種子が多くて大きく、可食部も少ない
  • 酸味は強くないがややあり、甘味は物足りない強さ
  • じょうのうは厚く硬い

 

「バレンシアオレンジ」

  • じょうのうがとても硬くて厚い
  • 淡白で深みがなく、甘味も香りも弱くて物足りない
  • 多汁でななく、繊維質

 

「サウスオレンジ」

  • 「グレープフルーツ」に似た風味の他に独特な臭い香りがある
  • 酸味も甘味も弱いので苦味が目立つ
  • 可食部が多い、種子が少ない、じょうのうが薄いのは良い

 

「伊予柑」

  • 爽やかで甘ったるくない
  • 砂じょうがパサパサしているのはいただけない

 

「日南1号」

  • 甘さはとても弱く、酸味は非常に強いのでやはりミカンは晩生品種に限ると再認識させられる
  • 香りは強め
  • スポンジ状の果肉、味が薄い、果肉が薄黄色、剥きにくいといった特徴の果実は不味い

 

「弥生紅」(伊予柑)

  • 果肉はパサパサしており、無味無臭
  • ス上がりしていた
 
私の印象としてカンキツ類は他の果物に比べて、果実によって味や食感にばらつきが大きく、別品種かと思うときも多々あります。このことを鑑みると生産者の栽培技術、収穫期によって大きく品質が左右される可能性が高く、また消費者も適期に食べることが、美味しく食べるコツだと思います。
 
カンキツと言ってもミカン、オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、夏ミカンなど様々で、それぞれに良さがあると感じています。これだけ品種があればお気に入りの品種に皆さんもきっと出会えるでしょう。