★WINDOW
仕事の帰り道によく通るファミレスがある普通のファミレスよりほんのちょっと値段が高いファミレスなのだがそのファミレスの窓から見える食事をする人たちを見るのが僕は好きだ夜 仕事を終えその店の前を通ると暖かな明かりの中色々な人たちが食事をしている家族やカップル 年配の夫婦 友人同士笑っている人 見つめあっているカップル静かに食事をしている人 もりもり食べている人コーヒーを手にまったりしている人僕もその店で食事をしたことは何度もあるが外から通りすがりに見る方が好きだなんだか幸せな気持ちになる食べているのを見るのが幸せなんてその店のシェフでもないのにおかしな話なのだが僕が子供の頃は 買い物をし家族でレストランに行く事は一大イベントだったメニューを見せながらオヤジが好きなものを頼めと言ったが僕は自分が食べたいものでなく一番安いもののひとつ上の物を頼んだ一番安い物を選べばなんだかわざとらしいがその一つ上なら子供の気遣いも親に感づかれないのではとの子供ながらの考えからだった今の子はレストランで好きな物を特に思うことなく注文するだろう僕にはそれはできなかった好きなものを言えばそれを注文してくれただろう貧乏だったわけではないがレストランに来て食事をするという事はやはり贅沢な事だという意識があったそこに連れてきてもらったのに値段を気にせず食べたいものを注文することは親の財布を考えるととても僕にはできなかったのだレストランで全部食べられなかった場合はお店の人に頼んで入れ物に入れてもらい家に持ち帰るのは当たり前の時代だった今のように残して帰ることなどなかった昔が良くて今が悪いとかそういう話をしたいわけではないそれほど特別な事だったという事だ子供の頃のそういう思いがあるからか友人たちと飲みに行ったり普通の店に入るときは感じないのだが家族でファミレスに行くと子供の頃を思い出し特別な事のような気がしてしまうさすがに今は自分の食べたいものを頼むが家族で食事に行くという事はあたり前でなく 特別で幸せな時間だと感じる時がある食事を終えコーヒーを片手に窓の外を眺めながらそう思う僕がよく通るそのファミレスもそんな特別な時間を過ごしている人たちを眺められるから好きなのだと思う暖かな明かりの中で食事をする人々を眺めることが出来るその店の窓に僕は子供の頃の自分の姿を見ているのかもしれない