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早大生と学ぶ認知心理学

生態心理学・行動主義心理学etc

人間の記憶は、様々な観点から区分する事が出来ます。時間の保持時間の長さに基づいて、感覚記憶・短気記憶・長期記憶の3種類に区分する事が出来ます。本日は、その3種類について簡単にご説明します。


感覚記憶
記憶の過程の記事にて人間は、刺激情報を符号化し貯蔵するというお話をしましたが、ごく短時間であれば「符号化」せずに感覚記憶として保持する事ができます。感覚記憶は、感覚器官で受け取った刺激情報をそのまま保持する記憶です。
視覚系ではアイコニック記憶、聴覚系ではエコーイック記憶とよばれています。感覚記憶の保持時間は、聴覚で5秒、視覚で1秒と言われており、かなり短いです。


短期記憶
感覚記憶に入力された情報の中で注意を向けられた情報は、符号化され一時的に短期記憶に貯蔵されます。短期記憶は容量に限界があります(7±2チャンク程度)。アメリカの心理学者ミラーは、これを魔法の数字7±2と呼び、短期記憶にて一度に処理される最大の情報量としました。
短期記憶の保持時間は、通常15秒~30秒といわれています。この保持時間にリハーサルなど情報を長期記憶にするための記銘処理がなされなければ忘れてしまいます。短期記憶は、意識的に操作ができる状態で情報を保持できる唯一の記憶です。


長期記憶
長期的に保持することができる記憶であり、長期記憶の保持時間は、数時間から数十年といわれています。記憶の内容によって宣言的記憶(宣言的知識)手続き的記憶(手続き知識)に区分する事が出来ます。
宣言的記憶は、言葉にできる記憶のことで、これに対して、手続き的記憶は、手続きに関する記憶のことで、必ずしも言葉にできるとは限らない記憶のことです(例「自動車の運転」)。自動車教習所の先生が車の運転を言葉だけで説明するのは、難しいですし、私たち教えてもらう側も言葉だけの説明で車を運転するのは、難しいです。実際に自動車に乗って運転をしながら説明したり、説明されたりする必要があるのです。宣言的記憶は、言葉による一度の説明で習得されうるのですが、手続き的記憶は、長時間の反復練習が必要なのです。
さらに、宣言的記憶は、エピソード記憶意味記憶に分かれます。エピソード記憶は、時間的・空間的文脈のなかに位置づけることができる出来事(エピソード)の記憶をさします。
意味記憶は、一般的な知識としての記憶をさします(例「ヒトはサルから進化した」)。


本日は、時間による記憶の分類について説明いたしました。
失礼します。


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(参考文献 心理学事典 中島義明 有斐閣 1999年)
(参考文献 認知心理学キーワード 森敏昭 中條和光 有斐閣 2005年)