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早大生と学ぶ認知心理学

生態心理学・行動主義心理学etc

生態心理学を唱えたギブソン(Gibson.J.J)は、動物が利用する環境の性質をアフォーダンス(affordance)と名付けました。アフォーダンスとは「afford(与える)」からの造語です。
ギブソンによれば人間の知覚の目的は環境の中にアフォーダンスを見つけ、それを活用する事なのです。


生態心理学において環境は大きく物質・媒質・面の三種類に分けられます。この世で一番大きな面は地面で、その上に多種多様な面が存在している。例えば、平らな面は、私たちに寝そべることをアフォードしてくれます。地面より少し高いところにある面は、座ることをアフォードしてくれます。私たちが呼吸に使う空気は媒質です。環境には様々な物質が存在しています。水という物質を例にあげれば、水は飲むこと、器に入れて運ぶこと、洗うこと、溶かすこと、泳ぐことなどをアフォードしてくれています。


ギブソンは、環境には無限のアフォーダンスが潜んでいるとした。アフォーダンスは動物に尽きない探索の行為を導く周囲の意味であり、使うことでかけがえのない価値になる存在である。アフォーダンスは動物の進化を導いた資源でもある。


アフォーダンスが進化を導いたとはどういうことだろうか?
生態心理学的な考え方に基づけば古代使われていた石器は、肉をはいだり、切ったり、木の実をすりつぶすことを人間にアフォードしてくれました。人間は石にアフォーダンスを見つけ様々な用途で使っててきました。現代でも、あらゆる環境の性質を利用することで人間は暮らしているのです。



~omiのプラスα~
秋頃に僕の実家が引っ越しをすることになりました。まぁ引っ越しと言っても前の家から300mほどしか離れてないので、あまり引っ越すという実感がわきません。
実はこの新しい家というのが注文住宅なので、父と母は去年頃から建築会社と何度も打ち合わせをして着工、現在に至ります。話しあいに相当時間を要したみたいで、部屋の間取り、証明の配置、壁の位置、色など時間をかけて決めました。
なぜこようなお話をはじめにしたかと言いますと、アフォーダンスという考え方はデザインの世界にも影響するからなのです。壁の部分からは光は射しませんが、そこに窓を作ってあげると光が射します。それは、窓が光をアフォードしてくれるからです。
建築における面や物質の配置は、とても重要なことです。デザインによってどこに何を配置するかは、人間に何をアフォードするのか、つまりどんな行動を可能にするのかと同じことなのです。

私たち人間は環境が与えてくれる可能性を取捨選択して生きているのではないでしょうか。

(参考文献 認知心理学キーワドコレクション 子安増生 二宮克美 新曜社 2011年)


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