18年目の秘密・ニノ's heart2 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。





















昼からの仕事

いつも通りのルーティーンで過ごしている楽屋に響いた声に胸がザワッとした



「なんでこんなところに居るの?!」



…大野さん



主語がはっきりしないことはよくあることで、メンバーは専用通訳としてかなりの上級者だけど

この時はさすがにみんなぽかーんとしてた


俺も周りの空気に合わせて大野さんの話を聞いてたけど、胸のザワザワは治まらない



「なんでこんなところに居るんだよぉ…」



悲しそうな顔、悲しそうな声


繰り返された言葉の主語は…俺…じゃないよね?



前を向いてるあなたが一瞬だけ後ろを振り返ったとしても

大野さん以外の誰が探しに来たとしても

あの心が見付かることはない


そう思ってたことが油断に繋がった…?



その場は核心に触れることなくなんとなく乗り切って


ふいに背中を押されても今さら動揺を見せるようなミスはしなかったのに

嫌な予感は的中してしまったらしい






エレベーターを降りて廊下を進むと、部屋の前に人影が見えた


誰か?なんて聞くまでもなく足が止まる



「…ここでなにやってるんですか」



前にもこんなことがあった

思い詰めたような顔して冷たい身体で待ってたから、すぐに部屋へ入れた



今思えばあの選択は間違っていた


そのあと七転八倒してさ、二人の関係が劇的に変わってしまったから



…俺は、嬉しかったけどね



「ニノを待ってた」




でも今は、会いたくなかったよ




「話がしたくて」



嫌な予感はますます強くなって、プライベートでわざわざ二人きりになるのは避けたかったけど


人に聞かれたら困るって言うから人目の届かない車でって提案する

ちゃんと話を聞くって態度を示したんだ


俺なりの最大の譲歩



「今日はすっごく寒いね」



それなのに音もなく駆け寄って手を握ってくるとか、そんなの反則でしょーが



それも氷のような冷たい手でさぁ…



車が嫌だって言うなら交渉は不成立

要求を却下して放置することも出来る



「部屋で話そう」



譲らない声で言われても、こちらが譲らなければ却下なんだ

だけど、ここで放置したとしてもこの人は帰らないだろう


それで明日の仕事に支障でも出たらどうする

それこそ最悪だ



「話が終わったらすぐに帰ってくれます?」



嫌な予感は胃痛に変わって、意識的に息を吐かないと立ってるのもしんどい



「分かった」



話を聞くだけ

なにも起こらない



だから、大丈夫



もう一度深く息を吐いて、廊下を進んだ

















つづく