※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
「帯文(@嵐にしやがれ)からプロットを書いてみよう!」
④AM
世界が驚いた!
本当は犬と猿は仲が良かった
各国での選考を終え、晴れて国の代表となった者が集い、己が心血を捧げた研究結果を発表する国際会議が今年も開催された。
いよいよ次が最後の発表者。
世界中から注目が集まる中、今年の開催国ニッポンの代表、雅太郎博士が壇上に立った。
「私は長年の旅を経て、ついに確信を得ました。」
無数のフラッシュが向けられる。
「犬と猿は…実は仲が良かったのです!!」
どよめく会場。
リアルタイムでこの会議を見守っていた人々も一様に驚きを隠せない。
「私も初めは信じることが出来ませんでした。しかし、この目で見たのです。
見てしまったからには、研究者として、全世界の皆様へお知らせしなければならない!
そんな使命感だけをこの胸に宿して、この場に立っていることをご了承願いたい。」
おおよそ信じることが出来ない「犬猿の仲の否定立証」
それに真正面から挑もうとしている雅太郎博士の紳士な姿勢に、会場から拍手が沸き起こる。
「ありがとう、それでは参考資料第1号から。」
照明が落とされて、正面のスクリーンに不鮮明な動画が流れ始めた。
「こちらは研究対象A・ニノ犬、こちらが研究対象B・オオノ猿、出会いの場面の記録です。」
『君が新しく仲間になったオオノ猿さん?』
『そうだよ』
『きびだんご美味しかった?』
『うん』
『僕も貰ったんだけど、半分しか食べられなかったから君にあげる』
『マジで?』
『うんっ』
『ありがと~』
再びどよめく会場。
「分かりますでしょうか。目が会えばキーキーキャンキャンといがみ合っていた犬と猿が、出会いから良好な関係を築こうとしていました。
次に参考資料第2号です。」
『オオノ猿さん、疲れない?』
『全然大丈夫』
『そっか…強いね…』
『ニノ犬は疲れちゃったか?』
『うん…つかれたぁ…』
『オイラが足揉んでやる、これで少しは楽になるぞ』
『わ~ ありがと!』
「初めての接触もスムーズかつ良好、私は自分の目を疑わざるを得ませんでした。」
参考資料第15号
『オーノさんっ 今日もがんばりましょうねっ』
『とか言ってすぐつかれたーってヘロヘロすんだろ?』
『しませんもんっ』
『じゃ、先行こー』
『あーっ 待ってよーっ』
『遅い、ほらっ』
『なんですか?』
『手、繋いでやるよ』
『あ…ありがとっ』
参考資料第80号
『今日は寒いねぇ…』
『そうだなぁ…』
『もっと…近くで寝てもいいですか?』
『いちいち聞くな』
『…うん』
資料映像の日付が現在に近付くにつれて粗かった画像も鮮明になり、犬猿の仲の新事実もより鮮明に映し出されていく。
参考資料第123号
『この戦いを無事を終えたらこの旅も終わりだな』
『そしたらもう会うこともなくなるんですよね…』
『ニノはそれでいいのか?』
『…やだぁ』
『泣くな、オイラも嫌だ』
参考資料第155号
『ニノー!』
『うっ…や、やられちゃった…』
『ニノ!しっかりしろ!』
『オオノさん…あなたに会えて…よかった…』
『誰か…誰かっ…助けてくださーいっ!』
全ては犬と猿の仲の否定立証の為に用意された資料映像であるはずなのに、これを見た者は皆、まるで小さな恋物語をそっと見守っていたような感覚になっていた。
参考資料第189号
『鬼退治終了…、みんな、どうもありがとう』
『雅太郎さん』
『オオノ猿ちゃんもありがとう、おつかれさまでした』
『オイラ、ニノと一緒に生きていくことに決めた』
『え?!マジでっ?!もちろん応援したいけどそれってすっごく大変なことだよっ?!』
『そんなこと分かってる、だけどニノと離れることなんて考えられない』
最後の資料映像の日付は一年前
「ご覧いただいた通り、彼らの間には愛が生まれていました。」
研究者が使うには不適切とされる「愛」という言葉。
しかし、同じく研究者である会場の皆が目頭を押さえて深く頷いていた。
「オオノ猿の献身的な看病のお陰でニノ犬は順調に回復。私は快気祝いに家をプレゼントしました。
それでは最後に、彼らの最新の様子をご覧いただきまして、私の発表を終わります。」
博士が一礼すると、最高の研究結果を示した者へ惜しみ無い拍手が寄せられた。
参考資料第230号
世界中が見守る中、映像が流れ初める。
本当の犬猿の仲とは…
この答えをそれぞれの胸に抱きながら。
『あ…オオノさっ…そんな激しくしたら…あっ』
『せっかく治ったんだから、今日は遠慮なしに思いっきりするって言ったろ?』
『でもっ』
『でもじゃねー、ほらピーーーーーがピーーーーーになってきた』
『やっ…そんなピーーーーーしたらピーーーーーになっちゃうぅ…』
『嫌?ほんとはピーーーーーなくせに』
『ぁん…あピーーーーー』
『あぁ…すっごくピーーーーーだ…』
『ピーーーーーっ!』
『ピーーーーーし♪』
『ピーーーーー♡』
『ピーーーーー♡』
あまりに生々しかったと思われる映像は、雅太郎博士の心遣いにより自主規制とモザイクの嵐。
世界中から大ブーイングが沸き起こったことは言うまでもない。
終わり
そこが一番見たいのにー!!的な。
その資料映像全部無修正でくれ!!的な。