「大野さん!」
「ん~」
「振り向いてください!」
「ん?」
キッチンに向かっていた大野さんが、不思議な顔で振り返った
「振り向けば、必ず俺が居ます、ちょっと…こんな情けない姿ですけど…
それでね、前を向けば他のメンバーが居ます、今の先頭は潤くんかな、翔さんはいつものペースで、相葉さんは心配性だから時々振り返ってくれてます」
ポジションを交替しながら、みんながみんなを支えてる
嵐って凄いよね
ってゆーか、こんなことわざわざ言わなくても分かってる
後ろに居るのは俺だけで、それが少し寂しくて、当たり前なこと言っちゃった
「ニノ」
「…はい」
「ほら見て、全部すっきり
その証拠に術も出来るよ」
「…え?術?」
「忍法、分身の術!」
腰を…高速で左右に振ってる
「俺がっ…揺れてっ…たくさんに見えない?!」
「…見え…ます」
「んふふ~ また強くなっちゃうなぁ~」
ぺちんと腹を叩いて、キッチンへ入っていった
「ははっ…分身って…あはは…」
ほんとに元気になったみたいだね
「じゃな」
「気を付けて」
「そういえば、ここに来るときめっちゃ星出てた、あとで見てみて」
「うん」
遠ざかる足音からは濁音が消えていた
ボタンの連打もない
「またここへ、休みに来てくださいね」
今日もきっと、守られていたのは俺のほう
あなたはまた一つ強くなるんだろうけど
俺もいつか、あなたを守る人になるからね
終わり
こちらのお話は A I さんの楽曲『 み ん な が み ん な 英 雄 』を参考に書かせていただきました。
最後までお付き合いくださいました皆様、ありがとうございましたm(_ _)m