二人を 繋 いだその場所は
焦がれて止まなかった幸せの園
…和也
…はい、旦那様
…私は幸せだよ
…俺も、幸せです
朝の香りが漂う
「…和也」
意識が 無 くなるまでこの胸に 抱 きしめていた身体を探す
「…和也…和也?」
だが、そこにも、腕を伸ばした先にも、見付からない
まさか…
「和也っ…和也!」
一人で寝ていた布団を飛び起きて、廊下へ駆け出した
庭を横切って和也の自室を開ける
「和也!……居ない…」
どこだ…
分からない…
私から離れて…どこへ…?
「契りを結ぶことだけ…」
それだけでもう…満足であったのか?
「まだ…もっと先にも幸せが…あるんじゃないのか…」
このような寂しい朝があるだろうか
やっと手に入れた幸せは
たった一夜で、この腕から消えてしまった
「旦那様?」
聞こえた音
「おはようございます
早いお目覚めでござい…わっ…ぅわぁー!!」
なにも確かめずに
そこへ一直線で駆けて、抱きしめた
つづく
明日の更新、一時間遅れます。