旅立ち・23 | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

嵐さんが好きです。二宮さんが好きです。大宮さんが好きです。

こちらは妄想書庫でございます。大変な腐りようです。足を踏み入れる方は、お気をつけくださいませ。

※BL妄想日記です


苦手な方はお気をつけください。



こちらのお話は『再会』の続きです。





















「よーっす」

「おー、入って~」

「準備進んでる?」

「ぼちぼちかなぁ」

「あれ?これだけ?」

「そ、あとは向こうで揃えたらいいでしょ」




あれから4年


専門を卒業して、就職した





「それにしてもよく休み取れたな」

「もう全力で仕事してやりましたからね!」

「お前あれから半端なかったもんなぁ」

「まぁね~」

「完全に干からびたような顔して帰ってきたと思ったら

自立!自活!って、呪文のようにずっと唱えてて

あの当時は…それはまぁ怖かったよ」

「ははっ」




苦手な料理も、嫌いな家事もどんどんやった

勉強も、バイトも、両立して頑張った



そして、どこへでも行ける力を蓄えながら

溜まった有給を消化しろと言われるまで

仕事も頑張った





「これ、最新の?」

「そう!よりにもよって海外だよ?

まったく…どこにでも行っちゃうんだから」




年に一回か二回、絵はがきが届いた

官製はがきに、その土地の風景が描かれたもの



先生はそうやって、自分が居る場所を時々教えてくれた



でも俺は、返事を出さなかった

もちろん、会いに行くこともしなかった



俺は俺の人生を頑張らないと

先生に会う資格なんてないからね





「そういえば、あの人と最近どう?」

「うるさいんだよ、あいつ!

身体に良いもの食べろとか、身体に良いもの飲めとか!

おかげで最近チョー健康的」

「あははっ」




親友君は、あの時 美術大学で出会った人と意気投合したらしく

しばらくして恋人として紹介してくれた

それから長く付き合っている

あれ以来、俺がこの人にコクられることもなくなった





「潤くん、幸せだね」

「あ?…あぁ…まぁ…そんなことあるような、ないような…みたいな?」

「素直じゃないなぁっ」

「お前に言われたくないわ!」




こうやって今も二人で笑えるのは

やっぱり潤くんのおかげ



強くて、情に熱くて

優しくて、格好良くて…



最高の親友だよ





「お前は、また4年ぶりの再会だな」

「うん」

「ほんと…よく頑張ったな」

「え?泣いちゃうかんじ?」

「泣くか!」

「すぐ泣くんだからな~潤くんは」

「だから、泣いてねーっつってんだろ!」




やっと自分に自信がついた時

絵はがきに返事を出した



会いに行きます、そう一言だけ添えて



返ってきたのはエアメール

裏側には…美しい海を眺める、二人の影







「気を付けて行ってこいよ」

「うん」

「今度は干からびて帰ってくんなよ?」

「あははっ」




先生へと向かう、この一歩



やっと踏み出せる、この一歩だ





「カズー!」



背中から呼ばれて、振り返る



「なにー?!」

「がんばれよー!」

「あははっ!ありがとーっ!」




先生、今から会いに行くね!





「いってきまーす!」





















終わり