妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。
「・・悪かったってば。M本には雅紀がいるからダメだって頭では分かってるんだけど、心がさ・・・その・・・言うこと聞いてくれなくて。けど内心、雅紀との関係が壊れるのもヤダなって思ってて。こんなこと、両立できるはずがないのに。雅紀にだってラボでの、C棟での生活があるんだしそれを壊すような真似を預かり主である俺がしちゃいけないって思ったんだけど」
「・・・思ったけど?」
「M本にキスされて、俺はもう自分の気持ちを誤魔化せないなって・・・そう思ったら行動してた。だから今日、雅紀が俺とこんな風に会話してくれてんのが不思議なくらいで・・・って、雅紀?」
「・・・キスってナニ?俺、聞いてないんだけど!」
ゆらゆらとA葉の背後に立ち上がる怒りのオーラは漆黒と真紅の二色が混じっているみたいで、
「えっ・・・M本から聞いてないの?!」
S井の顔がヒクッと引きつった。
「聞いてない!潤さんってば翔ちゃんに呼ばれて・・・なんか色々あって最終的には挑戦状を書かれたって!」
「ああ、その【なんか色々】の部分は喋らなかったってことか」
「潤さんってば酷い!俺、翔ちゃんと正々堂々と潤さんを争うことになるなら仕方ないって考えてたけれど、隠しごととかは絶対にヤダ!」
A葉は勢いよく立ち上がってから、
「ね、翔ちゃん!俺たちの間に秘密はナシにしよ?そうじゃないと俺、疑心暗鬼で心が壊れちゃう!」
S井の手を取ると横から顔を覗き込んでそう言った。
「・・えー?」
ここで戸惑ったのはS井の方。
三角関係の恋愛模様で隠しごとナシなんて可能なんだろうかと。
「翔ちゃん・・・俺、本気だからね?」
A葉の手をがっつりと包み込んだままで、しっかりと見つめてそう宣言する。
「・・・雅紀って男前(照)」
S井が照れたみたいにA葉の視線から逃げると、
「あっ・・・もしかして俺にも惚れちゃった感じ?それだとめっちゃ歪な三角関係になっちゃう」
とか真面目な顔で言うから、
「お前、フザケンナよ・・・俺、どういうメンタルでいればいいんだよ!」
S井がA葉の頬を軽くつねった。