妄想小説です。BLの意味が分からない方&不快に感じる方はブラウザバックでお願いします。

 

 

 

「うちは完全なるホワイト企業です・・・不必要な研究員の残業も前残業もさせてはいません」

S井の不遜な態度に不機嫌な表情を浮かべた潤が口を開こうとしたのを智が制止し、

「そうか・・・それは素晴らしいことだ。でもS井くんはしているんだな?前残業・・・そういえば、昨日もあの時間帯なら残業になるんじゃないか?」

S井の隣に立って言う。

「この棟の責任者として情報の把握は必須ですから・・・昨日に関しては私が担当した治験ですし、シフト的には問題ありませんが?」

「シフトはキミが組んでいるの?」

「ええ・・・各々が抱える実験の内容に応じてシフトを組んでいます」

そこまで言ったところでS井は手を止めてPCの画面から視線を智へと移すと、

「副社長、今日のご用件は・・・?こんな時間帯にここに来るなんて・・・大学はどうしたんですか?」

怪訝そうな表情で智を見上げた。

すると潤が横からヌッと手を伸ばして紙袋をS井の眼前へと突きつける。

「・・・・・?」

無言で受け取ったS井は中身を確認して目を見開いて潤の顔を見つめたから、

「大変だったよ?あの薬、強すぎない?取れたのは精 液だけで他のデータとやらは環境が整っていなくて無理だった」

中には昨日、自分が放棄した試験管が入っていて中にはサンプルらしき体液が封入されている。

「・・・俺とボスとで相手をしたんだ・・・死ぬほどイキまくってたけど、2人とも」

 

「え・・・副社長とM本で・・・?で、2人の今の様子は?」

 

「身体的に異常があるようには見えなかったけど?でも、2人とも最終的には失神して朝までそのまんまって感じ」

潤のあけすけな言葉にS井は驚いた顔をした後で、

「・・・せっかくだけど、これじゃ使い物にならないんだ・・・採取したサンプルは体温と同じ程度の温度下で保管しないと」

申し訳なさそうな表情へとかわった。

「・・・マジか」

ガックリと肩を落とした潤に、

「でも・・・まさかこんなことをしてもらえるなんて思ってなかったから・・・昨日は大切な治験をダメにされたって怒りの感情しかなくて・・・失礼な態度をとってごめんなさい」

S井は素直に謝罪の言葉を述べると立ち上がり、ペコリと智に頭を下げた。